オセロゲーム Part2 | ナノ
空っぽのまま (2/2)





決勝リーグが終わったその日、現地解散したあとリコは一息つく間も無く日向に呼ばれた。

体育館へ来い。と、





 ***





「で、いったいどうしたって言うのよ」

「ああ、カントクが来た…これで全員そろったな」


再度数を数えた日向。
そして視線を藤井に戻した


「さ、話してもらおうか洗いざらい」

『……』


主将の言葉がいたかった


『オレは…』


話した。
高校でバスケ部に入った理由、
逆らえない命令があったこと、
自分のバスケスタイル。

それでも過去の事はほとんど触れてない。いいたくもない



「こんの…」

「ちょ、カントク落ち着いて…」


肩をふるわせるカントクは爆発寸前って感じで、



「バカたれがああああぁぁあ」



ちゃぶ台でもひっくり返しそうだ。


『えっと…』

「なんか言うことないんか貴様ぁ!!!」

『ひぃっ』

「どうどう…」

「落ち着いてカントクっ!」


右は主将が、左は伊月先輩が取り押さえている。
いや、まじで怖いんで暫くそれで。


「藤井っ、藤井!」

「いいからさっさと言うこと言っちゃって!」

『えっと…ごめん、なさい……』


そしたらカントクはしゅるしゅると大人しくなった。


「藤井君」

『は、はい…』

「なんで話してくれなかったの」

『いやだって、皆には関係な…!』


スパン!と、いい音たててハリセンで叩かれた。
痛む頭をさすってカントクを見上げれば、そこには涙が見えた気がした


「関係なくわないわよ!私たちはチームなんだから!!」

『カントク…』


泣いてる?心配してる?このオレを?そんな…



『ごめ…なさい、』



あれおかしいな。
前がかすんでよく見えないや


「…わかったらよろしい。もう私たちから言うことはないわ」


ただし、とカントクは言葉を続けた


「隠さなくていい隠し事をするのは金輪際禁止よ」

『はい』

「それと、試合でわざと負けるようなプレーはしないこと。破ったら退部ね!!」

『はい』

「元気がない!」

『はい!!』

「うんよろしい」


なぜか、ドッと笑いがわきおこった。部活やってて良かったなって、思った瞬間。


『オレ、頑張ります!』


新たな目標ができた。


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