オセロゲーム Part2 | ナノ
それに影が加わり (2/5)





 バチィ!!



大輝はイグナイトパスをあっさりと止めてしまった。


『わかってたことさ』


ただ、見てるこっちは胸が締め付けられそうになる

ボールを奪った大輝はすぐに攻めの姿勢へと切り替えた。



 ────ダムッ



大輝は伊月先輩を抜く。
そして主将の脇をあっという間にかけていく。
そして緩急をつけたドリブルでみと先輩を圧倒した


『残るはテツヤと火神…』


腕を組んで足を交差させ、目を閉じてこれから起こることについて想像してみた。
大輝は2人のことを気にも止めずいつも通りジャンプしてゴールに近づく。そして力一杯ダンクを……




 ───ゴッン!




ボールが床に打ち付けられる音が響く。続いて耳障りな機械音
目を明ければ、床に転がる火神君とテツヤが飛び込んで来た。


「おまえのバスケじゃ、勝てねえよ」


しんと静まり返る体育館に、それだけが響いた





 ***





───誠凛の快進撃。
真太郎のいる秀徳に勝ったとき、これならイケると思った。

夏のインターハイでアイツに会えるんじゃないかと、勝ち進むごとに期待し始めた。

しかし決勝リーグ直前に、大輝と当たることに気づいて、これはダメだと直感的に感じた。

そしてトドメを指すかのように"命令"が言伝で届く


オレはあの時覚悟したんだ。


インターハイでアイツに会うのは諦めるって。
決勝リーグまでこれたんだから、まだウィンターカップに望みを託せるって、



『オレなりの覚悟を決めたんだ』



誠凛に迷惑かけるのはコレで最後。
"命令"に従ってやるのも最後。




だから……




残り10分、頑張ってくれ





 ***





 ピ────




インターバルの2分を測っていた電子タイマーが鳴った。


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