オセロゲーム Part2 | ナノ
光 対 光 (5/5)






『お、次は火神君かぁ…』


火神はボールをもらった。
目の前にいるのは当然大輝
どうするのだろうと見ていれば、フェイクを入れてからシュート態勢に入った



『………ダメだ』

「どうしたんだ藤井」


オレが突然大声を出したもんだから、真太郎を驚かせてしまった。


『つまんねぇ。ただ高く跳ぶだけじゃあ意味が無い』


火神君がジャンプして、ボールが頂点まで運ばれる前にとられてしまった。此処まで手も足も出せないなんて


『これじゃあオレが居たとしても勝てないよ』


だって火神が全力で追い掛けたってドリブルしてる大輝に追い付けてない。
まあ、オレが本気でやろうと思えば…




 ピ─────ッ




『あーぁ、バカやらかした』

強引にブロックしようとして接触。ファールくらってやがる
それでも大輝のシュートは落ちない



「バスケットカウント!!ワンスロー!」



フリースローが与えられた。
これで20点差だ



「藤井…」

『なんだ、黄瀬』

「まだ間に合うんじゃないスか?」

『何に?』

「青峰っちに勝つの。オレとの試合の時垣間見せたあの力なら、20点差ぐらいどうにかなるんじゃ…」

『バカ黄瀬。オレは"でるな"と"命令"されたんだぞ。守るのが義務だ』


何度も言わせるな。オレの決心がブレてしまうじゃないか


「そんなの、本人がここにいるわけじゃないんだから藤井が試合に出たかなんて分かるわけないっスよ」

『うっせーなぁ!』


つい怒鳴ってしまった。
黄瀬の肩がビクリと動く
そんな心配そうな顔しやがって、余計イラつく


『テメェに、オレの何が分かるってんだよ!』


必死に足掻いてる誠凛。
報われない誠凛。
正直、もう見ていられない。オレだってこんなところでぬくぬくと試合観戦なんてしてる場合じゃないって分かってる
でもできないんだ。分かってるくれよ


「なんで…」

「黄瀬、その辺にしてやれ」

「緑間っち?」

「お前は、二軍に落とされた藤井の苦労を知らないからそんな事を口にできるのだ。藤井の好きにさせてやれ」


『真太郎…』


ちょっとオレ、泣きそうだよ


「…ゴメン」

『いやいいよ。オレ行くから…』

「どこに?」

『下に。ここだとコートが見え過ぎるから』



そのコートでは、テツヤがシャツを脱いで立ち上がるのが見えた


.
prevback|next
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -