光 対 光 (1/5)
『やっべ、遅れた?』
気がついたらインターバル終了ギリギリまで大輝とバスケしてしまった。
結局、桐皇の監督の車にぶつけて我に返ったんだけど
「いや、これから始まるところなのだよ」
『そっかーよかったぁ…』
額を流れる汗を拭いて、全力で脱力した。
「なんで藤井は汗だくなんスか?」
『いや…ちょっと………』
バスケしてきたなんてさらりと言えるわけない
ピ────
「第3Qです」
後半戦開始のアナウンスが聞こえた
「おおかた青峰とやってきたのだろう。ヤツのからだもきっちり温まってるのだよ」
「!」
真太郎の視線を追ったら、オレと同じくらい汗だくの大輝がいた。
『あ、テツヤはベンチだ』
そういえば、テツヤは引っ込めるタイミングがなかった前半はでずっぱりだったけ。
「やむをえん……が、前半青峰抜きでも代えられなかったのに…とてもしのげるとは思えないのだよ。そこにいる藤井が出れば、もう少し戦況は変わるだろうに」
「……そうっスね」
『ははは』
ごめん、返す言葉が見つからない
「開始早々青峰だ!」
誰かが叫んだ。
なるほど確かにボールがすぐに大輝に来た
『テツヤがベンチスタートである以上、全てがかかってるのは火神君と言うことか…』
果たして彼だけでどこまで大輝の相手が勤まるのか見物である
────ダムッ!
大輝はまずスピードをつけたドリンクで火神君を抜く。
そのあとはゴール下でディフェンスに入っていた水戸部先輩とつっちー先輩の手前で急停止し、フェイダウェイ。
『火神!』
大輝を追い掛けてきた火神が後ろから手を伸ばしたが、ギリギリでボールに触れることができなかった。
しかしあそこから追い付いてきたとは意外だ
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