オセロゲーム Part2 | ナノ
主役はいつも遅れて登場 (2/4)





「どういうことっスか?なんで」


黄瀬も、火神の交代には不満そうであった。
ムリもない。この状況下の…よりによって火神君の交代であれば誰だって不思議に思うさ


「アイツ交代!?ありえねーだろー」

「何考えてんだ誠凛ー、やっぱちゃんとした監督いねーとこはダメだなー」

『…………』


案の定観客席からも次々と非難の声が聞こえてきた。


『まったく、あんたらの目は節穴か?』

「なんだと!?」

『自分もプレイヤーのクセになんにも見えてないんだね』


それが黄瀬と真太郎の神経を逆撫でしてるようで、2人のオレに向ける視線が痛くなってきた


『ほら見てみろよアレ。火神の奴、足引きずってるだろ』

「ああ…確かに…」

「靴を脱ぎだしたのだよ」

『どうやらテーピングをしてもらうようだね』


この前ストリートで大輝に力量を測られたらしいがそれが治りかけ足には良くなかったらしい


「青峰はまだだというのに…」


火神が抜けた穴は大きく、差はどんどん開いていった。
スコアボードを見ると、


『9点差…』

「あ!藤井に緑間っち、あれ!!」


黄瀬が慌てて何かを指差した。
耳元で騒がれてしまったので耳がキンと耳鳴りがする。


『なんだ黄瀬』

「どうしたんだ」

「ほらアレ!誠凛ベンチ!!」

『ベンチィ?』


あんまり黄瀬がうるさいから、彼が指差す方を見た
真太郎も顔を向けたようだ


『「!!!」』


オレらは目を疑った


『だい、き……』


そこに居たのは、火神の肩に腕を回す大輝であった。
大輝は二言三言火神に話し掛けると、腕を払いのけられたのがここ、二階観客席後方からも見て分かる


『とうとう来たな』


これでもう誠凛に勝ち目はない。

だがオレはまだ動かない



『なんて仕打ちだよ…』



本当はオレだって試合したいよ。
なぁ、征十郎……


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