これだけは譲れない (2/3)
『あっは!見てみろよ真ちゃん、あの9番のフォーム変!』
跳んだと同時に放ってる。
だからブロックしにくくて主将がイライラしてるのが手に取るようにわかる。
『ああ、でも外した』
「あんな投げ方をして入らなくて当然なのだよ。だいたい、お前もヒトのこと言えないだろ」
『あー……』
9番の放ったシュートはリングに弾かれた。
すかさず他のメンバーがフォローしてボールはリングの中に押し込まれた。
『ぐいぐいいくねぇ桐皇は』
「同じ攻撃型の誠凛とは大違いだな」
『まあね。うちは全員一丸のスタイルをつらぬいてるから』
全国から選手を集める桐皇には、癖のある選手ばっかりだ。
個性的な奴らがあれだけゴロゴロいれば、お手手つないで仲良くなんてできるはず無い
「……お前たちのスタイルで、奴らに勝てるのか?」
『んー…』
コートでは伊月先輩を中心としたスムーズなパスワークが繰り広げられ、相手を翻弄したあと主将が決めた。
『どうだろうね』
多分無理なんだろう。
だってシュート1つ決めるのに相当な時間と人手を用いるんだ。
お互いがランガンに入ったら、その差が明らかになる。
『お、またロングパス』
今度は今吉から6番に。
確か、6番はセンターのはずだったのだが…よく動き回る性分のようだ
『あ……!!?』
これはまた決まるなぁとなんとなくボールを目で追っていると、テツヤがいることに気付いた。
『あ、取れ………』
テツヤが、ジャンプした
『「でも低──い!!?」』
テツヤでは全然ボールに届いていなかった。
でも火神が持ち前の跳躍力でそれをフォローする。
「黒子、なんて無茶を…」
『ホントだよね』
できるできないの区別くらいできるはずなのに。
もしかして、帝光とオーバーラップしてんのか?
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