オセロゲーム Part2 | ナノ
優先順位 (2/2)





ダムダムと、ボールが地面を何度も突く


『なあ大輝ー!』

「あ?」

『コレってまずくないか?』


オレと大輝は今、近場の公園にある屋外コートでストバス中。軽装になって、準備体操がてらゆるーくやっている


「なんでだよ」

『いや、だって…試合まで1週間ないよ?』


今日が日曜だから、たしか今週の金曜がそうだったきがする


「あ、そーなの?」

『そーなの?ってお前…』


大丈夫かよ。オレたち敵同士なんだぜ。テキトーすぎる大輝の発言にうっかりボールを落としそうになった


「よっ!」

『あ、』


手元が狂ったその一瞬をついて、大輝がボールを奪ってリングへ入れた。


「いーんじゃねー?別に」


オマエ、出ないんだろ?
と大輝は言う


『なんで知ってんの』


オレもさっき真太郎から聞いたばかりだよ。


「あっ」

『いただき』


今度はオレがボールを取って、やや乱暴にリングに投げ入れた


「なんでって…赤司からメールきて」

『アイツから!?』


大輝には直接連絡入れるクセにオレには人伝えですか。どんだけオレって避けられてんの


『なんて言われたの』

「直也は出ないから、だってよ」

『ほー』

「相変わらずわけわかんねーよな」

『まったくだ』


アイツは、"できない命令"は絶対にしないけど"やりたくない命令"はしょっちゅうする。


『でも、守らないと…』

「怒られんだよなぁ」


はぁ、と2人でため息をついた。手からこぼれたボールがテンテンと転がる。


『やっぱ、出ない方がいいのかなぁ…』

「赤司の命令は"絶対"なんだろ、オマエにとって」

『うん…』


いまさら守る筋合いも無いのだけれど、アイツが考えもなしで指示をだすはずない。


『よし、決めた!』

「?」

『エスケープする!』


誠凛と命令。
少し迷ったけどオレは命令を取った


「そうか。なら…」


大輝は何度かうなずくと、ボールを拾ってドリブルを始める。


「今日は本気で行こうぜ」


大輝の顔が本気になった。明日は確実に筋肉痛で動けないだろう。


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