オレと君との温度差 (3/5)
「黒子ォ、お前彼女いたの!!?」
「えっ、どゆこと!?」
「違います。中学時代マネージャーだった人です」
テツヤは彼女発言についてきっぱり否定した。
せっかくあんな美人に彼女ですなんて言ってもらえるんだからもっとありがたがればいいのに。
「テツ君!?」
プールから上がるテツヤを視界に捉えたさつきは、とたんに目の色を変えた。
「ひさしぶり、会いたかったー!!」
「苦しいです桃井さん」
テツヤに飛び付いて興奮するさつき。対してテツヤは冷静沈着だ。
「何がなんだか分かんねーけど…」
「うらやましすぎる黒子!!」
「いいなあ黒子!」
「死ねばいい!!」
『ちょっと先輩方、心の声が口から出てますよ…』
カントクに聞かれてないといいですねと言ったら、皆は慌てて口を紡いだ。
「ちょっ……いやいやいや、でもなんで黒子!?さえねーしウスしパッとしないし」
「え〜、そこがいいんですよ〜。でも試合になると別人みたく凛々しくなるとことかグッときません?」
彼女は口元をほころばせた
「あと、アイスくれたんです」
「はあ!?」
『ああ。そういや昔、そんな事言ってたっけ』
それを聞いたのは、テツヤからだったけど。
アタリのアイス棒をあげたって言ってたっけか
「だからホントはテツ君と同じ学校行きたかったの───!!けど……けど……」
「桃井さん……プール内はひびくんで大声はひかえてください」
興奮しだして次第に声が大きくなるさつきをこれまた冷静に対処するテツヤ。
ものすっごい"慣れ"ってやつを感じる
「なっ……ななな、いったい何なのあの子!?そもそもちょっと胸大っきくて可愛いぐらいでみんなあわてすぎよもう!ねえ、日向君、藤井君?」
『ふぇ?』
プールからあがると、カントクが呆れ口調で隣にいる主将とオレに尋ねてきた
「……うん、そだね……」
『否定は、しません』
オレたちだって一般的な健康男児ですから、そーいう女の人の身体に目がいっちゃうのはある意味当然です。
「チラ見してんじゃねぇよ───!!男ってやつはどいつもこいつも!!」
カントクは泣きながらボゴォっと日向を殴り飛ばし、オレを水中に突き落とした。
『うぶっ』
「でっ!」
オレは水ん中だから良かったけど、床に叩きつけられたようになった主将は痛そうだ
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