オセロゲーム Part2 | ナノ
オレと君との温度差 (2/5)





「ストレッチはいつも以上に入念にねー」


いつものようにホイッスルを持って指示するカントクがいる。ただし水着で。
でも色気が感じられない


『(いや、それはさておき)』


昨日言ってた"いつものやつ"とはこの事か…
今、誠凜バスケ部はコパパがいるのは運営しているスポーツジム。開くのが10時だから、その前にお邪魔して朝練の代わりにここでフットワーク、筋トレを行っている。

……らしい


『(一年生のオレらは初めて)』


しかもこんな超キツイなんて予想してなかった。


「黒子寝んなぁ!!つか浮くな!!」


テツヤは力尽きてプカプカ漂ってるし


「……49!」

「……50!!」

「はい、一分休憩ー」

「あ゛――キッツイマジ!!」

『終わったー!』


やりきった感がハンパない。
オレもテツヤのように、水面に肢体を投げ出した。
もちろんテツヤのようなうつ伏せではなく仰向けで


「面白い練習してますねー」


『?』


クスクスと笑う声が聞こえ、ピンクの髪がなびくのが見えた。


『あっ!』


目を、疑った



『さつき!!』



彼女は、ビキニの上からパーカーを着て、エロティックなアングルでプールサイドにしゃがんでいた。


「─────!!?」

「どうしたキャプ……って、おお!!?誰!?」


当然、驚いたのはオレだけじゃない


「……桃井さん」

『オマエ、なんでここ来たん!?』

「知り合い!?」


思わず近くにあった小金井先輩の肩に手をついて身を乗り出してしまう。


「えっ…と、どちら様?今日は休館日ですけど……」

「え〜〜と……何て言えばいいのかな〜〜?」


さつきはゆっくりと立ち上がりどう説明するか考えて……
そして


「テツ君の彼女です!決勝リーグまで待てなくて来ちゃいました」


さつきは言い切った。


「テツ君?」

「黒子テツヤ君」


『…………』



みんなの頭が真っ白になることおよそ三秒。オレはゆっくりと耳に手を当てた




「「「え゛え゛え゛え゛え゛」」」




みんなの声がプール中に響いた。


『(よかった。耳押さえてて…)』


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