テストなんて (3/3)
『かーがみ君』
テストの結果をもらったあと、彼の順位を知りたくて隣のクラスに来た。
『かがみくん?』
両手で結果用紙を握り締めて小さく震える火神君。
もしや、やっちまった?
オレは心配になって、彼の手元を覗いた
『おまっ…!』
衝撃的過ぎて言葉が、出ない。
「火神!テストどーだった?」
すると息を切らしながらセンパイたち教室の中に入ってきた。
「……それが……」
おずおずとプリントを広げて皆に見えるように出す
『90番…』
オレだって真面目にやって50番だったのに。
なんか無性に悔しい
「なんでぇぇ!?」
「え゛ええ!?」
「ちょっ、あ!?国語98点!?えええ!?」
『あり得ない!』
練習ではほぼ0点だった国語がオレより点数いいとかありえん!いや許さんぞ!!
「一体どうやって……!?」
「いや……鉛筆転がしてただけ…なんで」
「はあ!?」
「緑間君特製コロコロ鉛筆です」
「……」
テツヤが出したコロコロ鉛筆を信じられないような目で見つめる主将たち。
「なんだそれぇぇ!?緑間こぇぇ!!」
鉛筆のご利益であれ、真太郎のおかげであれ、補習を免れたのは事実である
「オレ別にバカじゃないのに……」
ポツンと、教室を出た主将は言った
『え?』
「な、なんでもないぞ藤井」
『そう、ですか…』
あわてて背を向けた主将の頬に涙が伝ってたのはきっと気のせいだろう。
『オレも今度からコロコロしよ…』
次の目標は30番以内だ。
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