テストなんて (2/3)
***
『やっほー火神君。はかどってるかい?』
昼、火神の事が心配でになったから隣のクラスに顔を出した。
ついでにコイツのために(雑用係として)作った暗記カードを渡すために
「ブツブツブツブツ」
『……はかどってる、のか?』
原子名はなぜかお経にしか聞こえないし、いつも以上に目付きがわるい。
試合当日のアレの比ではない
「大丈夫ですか」
「死ぬ……!」
『だろーな』
あまりの剣幕に、テツヤでさえ口を出したのだ。
これはもう末期
「火神ー、昼は図書室でやるぞー」
「……うーす」
図書室に移動するため、小金井先輩に呼び出される。
火神は重い腰を上げた
「マジで死にそーだけど、なぜか昨日黄瀬からメールきた」
火神君はこの上なくめんどくさそうに言った。
『黄瀬から?オマエのアド教えたの?』
「いや…」
「あ、ボクが教えました。メアド」
「オマエか!!勝手に教えんなよ!!……ちなみに黄瀬と緑間って勉強できんのか?」
「緑間君はできます。黄瀬君はイマイチです」
『へえ』
ま、見た目通りだな
「決勝リーグ勝たなきゃI・Hには行けねー。勝ってもバカじゃI・Hでは勝てねー。「キセキの世代」倒して日本一になるっつったのにこんなことでつまずけるか!」
『その意気だぞ』
勉強もスポーツもノリと勢いが大事さ。
「火神君、もしどうしてもダメだったら………これを」
意気込みを語る火神にテツヤは一本の鉛筆を渡した
「……これは?」
「緑間君が昔くれた最後の手段、湯島天神の鉛筆で作ったコロコロ鉛筆です」
「いるかっ!!」
『あ、もったいね!』
バシンと投げ捨てて火神君は教室を出ていった。
『芯折れてないよな……?』
床に転がる鉛筆を手に取り先端を確認。
よかった、幸い折れてない
『聞くのにね、これ』
「はい…もったいないです」
『じゃあ筆箱に入れといてやるか』
ついでに渡しそびれた暗記カードも添えて。
『ご武運を。火神』
そんで皆で決勝リーグ行こうな
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