おあずけ (3/3)
「問題……大アリよ!」
集まるのが遅い!とカントクのご機嫌が斜めだ。
だって仕方ないじゃんか、火神君の肩から逃れるの大変だったんだから
「確かに実力テストは成績には関係ないわ!けど……ウチの学校は一学年約300人、その順位がはっきり出るのよ」
「そして下位100名は来週土曜日に補習。これが問題なんだよ」
「え……あ!」
「土曜日……って決勝リーグの初日!?」
『試合に出れない!』
廊下を歩くセンパイたちが追い詰められた顔で嘆いてたのはこーいうわけだったのか。
「そ、だからテスト悪りーと試合行けねーの」
「つーわけで!中間の結果で危ないと判断したら、今夜からカントクん家で勉強合宿だ」
『カントクん家……?』
ちょっと聞き捨てならない単語が…
「勉強だからね。言っとくくど…
補習で試合に出れんかもしれんバカにウフフな展開なんぞあると思うなよ」
『ひっ…』
カントクのあまりの恐ろしさに、無意識に喉がなる
「じゃ、先ずは藤井君から!」
『はいいぃぃい!』
オレは素早くセンパイたちな渡した
「これは……!?」
『どうですか』
化学だけがっつり手を抜いたから平均は78点だけど…
「うん、まあ…そうね」
「いいんじゃない?」
「特に言うことは…ないな」
テストの点数を一通り確認すると、答案は手元に戻ってくる
『じゃあカントク…』
「なに?」
『オレ帰ります』
いい顔で皆さんに敬礼して、オレはプリンのもとへ急いだ
***
『プリンプリンー…プリッ……』
「あ………」
急いで帰ってきたのに、机の上には使用済みスプーンとプラスチックカップしか無かった
「お、お帰り…」
『ぷりん…』
「わりっ!落としちまった」
両手をあわせてごめんと謝る柏木。
その口からは甘いあまいキャラメルの匂いが…
『
テメェ、コノヤロー!!』
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