お好み焼き事件 (5/5)
べっしゃあ!
『うわぉ』
突然生焼けのお好み焼きが真太郎の頭に降り掛かった。
さっきから奥のテーブルでお好み焼きが舞ってたのは知ってたけど、まさかここまで飛んできたなんて。
「……とりあえずその話は後だ」
『お、おう。その方がいいな』
真太郎は静かに席を立つと、一直線に高尾君のもとへ。
「高尾、ちょっと来い」
「わりーわりー。ってちょっスイマッ…なんでお好み焼ふりかぶってん……だギャ――!!」
『(うわー)』
問答無用で、高尾君が見るも無残な姿に。
一方的にやられる高尾君を見てられなくなって、オレは自分のお好み焼きに向かった。
「火神君の言う通りです。今日試合をして思いました。つまらなかったらあんなに上手くなりません」
『んー、それもあるな』
人間、才能だけじゃなってけない。
もう一つ"何か"持ってないと
「お、雨やんだんじゃね?」
「ホントだ」
「じゃーいい時間だしそろそろ帰ろかー」
チラリと横を見れば、満腹になったお腹を擦る火神君。
彼の食った量に真太郎も黄瀬もめちゃくちゃ驚いてた
「火神、一つ忠告してやるのだよ」
席を立ちながら真太郎は言う
「東京にいるキセキの世代は二人、オレともう一人は青峰大輝という男だ。決勝リーグで当たるだろう。そして、奴はお前と同種の選手だ」
「はあ?よく分かんねーけど……とりあえずそいつも相当強ぇんだろ?」
「……強いです……ただあの人のバスケは……好きじゃないです」
テツヤの顔が、少し恐かった。
オレ的に大輝のバスケは嫌いじゃない。
「……フン、まぁせいぜいがんばるのだよ」
「……緑間君!」
店を出ようとする彼をテツヤは呼び止めた。
「また……やりましょう」
「……当たり前だ。次は勝つ!」
そう言った真太郎の顔はリベンジに燃える黄瀬と同じだった。
『全く素直じゃないんだから』
でも、オマエのそういうとこ嫌いじゃないよ
「じゃあ行くか!」
主将の一言によって、次々と部員は外へ出ていく
「次は決勝リーグだ!!」
「「「「おおう!!!」」」」
やっと此処までこれた
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