お好み焼き事件 (2/5)
「コーラこっちー!」
「オレンジー」
「ウーロンハイ──」
「誰だ酒頼んだバカは!?代えてもらえ!」
席に着いて飲み物を頼んで数分。
注文したものが次々と運ばれて来た。
『あ、全部揃ったかも』
「よし、じゃあ……カンパー……」
「すまっせーん。おっちゃん二人空いて……ん?」
『あ────』
乾杯しようとした直後、来客があった。
「なんでオマエらここに!?しかも二人!?」
「いやー真ちゃんが泣き崩れてる間に先輩達とはぐれちゃってー。ついでにメシでもみたいな」
「オイ!」
入ってきたのはなんと真太郎と高尾君。
なんとまぁタイミングの悪いこと。
店中の空気が凍り付いた
「店を変えるぞ高尾」
「あっ、オイ」
出ていこうと真太郎が戸を開けるとその向こうでは…
バッシァアァアア『うわー、帰れねぇじゃん』
さっきまで傘がいらないくらいだったのに今では傘なんて別の意味で無意味。
これで外歩くなんて自殺行為だ
『……あがってきな、真太郎』
「藤井がそういうのなら…」
渋々、真太郎は戸を閉めて奥へ入ってきた
「あれっ?もしかして海常の笠松さん!?」
「オマエ秀徳の……なんで知ってんだ?」
「月バスで見たんで!!全国でも好PGとして有名人じゃないすか。ちょっ……うおー!!同じポジションとして話聞きてーなぁ!!ちょっとまざってもいっすか!?」
「え……?てか正直今祝勝会的なムードだったんだけど……いいの?」
「気にしない気にしない!!さ、笠松さんこっちで!!」
「ああ……いいけど」
流されるように笠松さんが席を立つ
『席、ここしか空いてないよ……』
真太郎、ここに座るのか?
.
prev|back|next