オセロゲーム Part2 | ナノ
主役はオレじゃない (3/4)





火神君の調子が上がってきたことにより、誠凜にも勢いが戻ってきた

しかし秀徳ボールは相変わらず真太郎に動く。


「火神!!」


期待が、一点に集まった。



 ───バッ




『…触れた!』


前半はかすりもしなかったその指先がボールに触っているのを確認した




 ─────ゴカッ




『やった……』


「うわあ!ついに止めた、緑間を!?」


しかし詰めが甘かった。


「うおっ」


『あちゃー』


リングに当たったボールはそのまま落ちるかと思いきや、大坪に取られダンクされてしまった


『やるなー…あの人……』


「ちょっと藤井君、」


『はい?』


ベンチからカントクさんに呼ばれた


「水戸部君と2人であのセンターをマークして」


『あ、了解です』


ちょうどオレもソレ考えてたとこだったから。




『ちょうだい伊月先輩!』


手を出すと伊月先輩はパスをくれた。
そして、誰かにマークを去れる前にレイアップ………


「させるか!!」


『はうぅぅ』


できなかった。
大坪さんにボールをはたき落とされ、オレの腹に直撃。
痛いうえにアウトボールになってしまった


『コノヤロー…』


がっつりマークしてやる。
痛い腹と膝は一旦忘れることにする


「……むっ」


「こりゃ〜…こっちかな〜……」


鷹の目を持つ高尾君は瞬時に状況確認してパスターゲットを真太郎に変える。

生憎、高尾君のパスに翻弄されたおかげで真太郎はフリーになっていた。


『やべぇ……火神!!!』


あの位置から真太郎を止められるのは、火神しかいない。
ちょっと厳しく位置かもしれないけど、奴しかいない。



『!!!』



火神君は、オレの思ってる以上にいい動きをしてくれた。


「なっ……」


『マジで止めやがった』


あわよくば、さっきみたいに擦る程度でよかったのに。

まさかあんなに跳べるとは。


『(火神の"才能"と言うことか…)』


問題が発生しないといいけれど。




こぼれたボールを拾った伊月先輩が楽々とシュートを決めて、34対50となった


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