主役はオレじゃない (2/4)
当たりすぎる占いは嫌いだ。
ちょっとくらい外れてたほうが面白みがあっていい。
だから、おは朝のアレは占いと言うよりむしろお告げだ。
これまで真太郎に、これを何度言ってきただろう
「第3Q始めます」
後半戦が始まった。
カントクにちょっと無理言って、出る予定だった小金井先輩と交換してもらった。
今目の前ではボールが火神に弾き飛ばされ主将の手に。
しかしスティールされて相手ボールになると、先制点を取られた。
───バッ
『ナイスタイミングです伊月先輩』
先輩にタップで貰ったボール。
フリーだったオレは楽々とシュートを入れた。
「ナイッシュ!」
『よし……』
ジャンプする時、膝に痛みを感じなかったわけではないが…
『多分いける!』
テーピングは完璧だしサポーターもフィットしてるからテツヤを引っ込めとく10分ぐらい、なんとかなる気がする。
「ボーッとしてるなんて、ずいぶん余裕なんだね」
『──しまっ!』
膝に気を取られていて、高尾君のマークを忘れていた。
宮地という人に言われて気付いた
────シュッ
ボールは真太郎に渡り、手を離れる
『……お?』
それと一緒に跳んだ火神君の手がボールに触れた。
──ゴッ、ゴッ……
リングの縁で数回バウンドしたボールは、なんとか入る。
「っぶね……」
「ってか緑間のあんな入り方初めてだぞ」
オレも見たのは初めてだ。
「オマエ……星座は?」
「?……獅子座だよ」
「…まったく、本当によく当たる占いなのだよ」
なるほど
つまりはこの試合、カギとなるのは火神君と言うことか
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