手の内は隠さず (2/3)
「第1Q終わりです。インターバル2分入ります」
嫌なタイミングでインターバルが入る。
あんなもん見せられたあとの休憩なんて、ちっとも休んだ気がしないだろうに
『さてはこれが狙いだな…』
うちらの戦意喪失を狙ってきたか。
つらい顔の選手を見て、オレは舌打ちをした。
「黒子君…あれ……昔から?」
「いえ…僕の知ってる彼の距離はハーフラインまでです。あんな所から打てるのは初めて知りました。直也君は知ってましたか?」
『オレ?知らねーよ。いつかは出来るようになれればいいとは聞いてたけど』
まさか高校で修得してたなんて、思いもしなかった。
「レブロンが練習で決めてる映像は見たことあるけど、試合中に狙ってとかありえないぞ」
「冗談きっついぜ……「キセキの世代」」
「てかあんなん……どーやって止めんの?」
まだ第1Qが終わったところだというのに、誠凜のテンションは落ちていく一方。
「……確かにとんでもないシュートだけど、打つ手がないわけじゃないわ!とにかく緑間君を止めるわよ!」
カントクは励まそうとするが、いまいち声に自身がない。
「…藤井君はなんか言うことある?」
『んー……今朝のおは朝によると、今日は調子いいみたいです。おそらく第2Qからボールは真太郎に集中するでしよう』
「「「「「おは朝?」」」」」
『はい。あの占いのやつ』
なんでおは朝がでてる?
そんな言葉が皆の顔にでてる。
でも今はそれを説明してる暇はない
「とにかくっ!黒子君、しんどいかもだけどもう少しヨロシク!」
「インターバル終了です」
ちょうどブザーが鳴った。
これが地獄の始まりの合図だった
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