一難去ってまた一難 (2/3)
「そだカントク、武田先生が練習後来てくれってさ」
「あ、そう?じゃゴメン、先あがるわ。おつかれー」
呼び出しをくらったカントクは一足先に体育館から出ていった。
『さて、散らかし放題のタオル達を片付けるか』
そして残った部員は使った道具を倉庫の中へと片付けていく。
オレは洗濯係なのでシャツやタオルを籠へどんどん放る。
『うわー火神君のシャツでか』
テツヤが来たらワンピースになりそうだな。
そう思いながらシャツもかごの中へ。
『あれ、これは…』
まだ未使用っぽいタオルが丁寧にたたまれてベンチに置いてある。
『洗ったほうがいいのかな』
とりあえずテツヤのタオルのようだから、彼に聞けば分かるかも。
『おーいテツ…ん?』
視線を向けた先では、テツヤの持つ得点板が今にも火神君にぶつかりそう。
「いてっっ」
「あ、すいません」
「ってーなー。ちゃんと前見ろよ!!」
やっぱり衝突した。
それをきっかけにギャーギャー言い争いが始まる。
『元気だなー』
一事はどうなるかと思ったけど。
「なんか最近また口きくようになったけど、前よりケンカ増えてね?」
「大丈夫かあいつら……」
そんな二人の様子を、オレの隣に立ち止まったツッチー先輩と小金井先輩は不安そうな表情みていた。
「いやー大丈夫だろ」
「木吉…けど今日の練習も火神、全然パスとかなかったけど?」
「まあ今だけだって。冬にはまたやってくれるさ」
二人を見て微笑む鉄平さん。
ほんと、この人はどこまで見通してるんだろう
……なぞだ
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