オセロゲーム Part2 | ナノ
対面と印象 (2/4)





「あー、あとこれだけは言っとかねえとな」

『?』


声色の変わったそれに、再び注目する。今度は何を言うのやら。


「まあ創部した時から言ってたことなんだが、なけなしの高校生活3年間を懸けるんだからな。やるからには本気だ。目標はもちろん……どこだ!



また沈黙が流れる。



「は?」

『えーっと、』

「いやI・Hの開催地ってどこだっけ?甲子園?」

「毎年変わるしもう負けたわ!!今目指してんのはWCだろ!」

「そうか!じゃあWCは今年どこだ?」

「WCは毎年同じだよ!!東京だ!!」


主将がツッコミっぱなしだ。
まさかボケのスペシャリストがここにいたなんて。
伊月先輩のダジャレと小金井先輩の無邪気っぷりが可愛く見えてくる。


『(バスケ部を創っ……えー』


黙っていれば、見え無くもない。


「まあともかく、山登るなら目指すのは当然頂点だ……が、景色もちゃんと楽しんでこーぜ」


でも、言うことはビシッと決めてくれた。
それを見て、主将は堂々と深いため息をついていた。


「どうした日向?」

「いや……変わってねーなと思ってよ。だからアイツはヤなんだ」

『……お疲れさまです』


一発目から叫んでばかりの主将の心中お察ししますよ、ホント。





「ま、とりあえず鉄平の自己紹介も一通り終わったところで練習再開させましょうか!」


ミニゲームするよ、とカントクがホイッスルを吹いた。


「「「ッス!」」」


オレは最初ベンチから。


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