オセロゲーム Part2 | ナノ
光は休養中 (3/3)






「……大丈夫か?」


着替え終わった伊月先輩が、ぼそりと呟いた


「火神か?」

「いや、それもあるけど。黒子…なんか変な……気がする」

『あ、それ分かります』


心此処にあらずっていうか、何ていうか。


「ぶちあたってるんじゃないかな、なんか……壁みたいなものに」

「え!?そうなの!?好調そうだったじゃん!?てかなんで分かんの伊月と藤井、黒子だよ!?」

「いやまったく自信はないが、なんとなく。試合中アイコンタクト多いからかな?」

『長年の付き合いだからとか』


すると主将が「すげぇな」って小声で言った。
いやいや、実はテツヤってちゃんとみると表情の変化ってよく分かる。



「鉄平といい火神といい、しかも黒子もか。悩みは尽きねーなーまったく……」


主将は愚痴りながら部室を出る。
あれっ、もしかして着替えてんのオレだけ…


「なにもたもた着替えてんだよ藤井!鍵閉めんぞ」

『あっ、スミマセン主将っ』


急いでベルトをしてカバンに服を詰め込み、ロッカーから靴を出して履いた。


「ほら、帰るぞ」

『はーい』


わたわたと外に出たら、もう皆帰る準備万端だった。




「あの、センパイ。鉄平さん……てどんな人なんですか?」

「ん?」


河原が尋ねた。
オレもずっと気になってたことだ


「鉄平?ああ、あいつは変人。」

「「「「え!?」」」」

「でも恩人。オレをバスケに誘ってくれた奴でもある」

「「「「ええ!?」」」」

『いよいよ分からん』


もうちょいこう……具体的に言ってほしい。





「そして、誠凛高校バスケ部を創った男だよ」





『マジっすか』

木吉鉄平。
彼はバスケ部の根源となる人だった。
しかも伊月先輩によれば来週から来るらしい。ついでに火神君も来週から復活なんだと。


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