オセロゲーム | ナノ
スタートから全力 (1/5)





携帯の待ち受けを見れば5月18日の表示が。


「全員揃ったわね!」


「行くぞ!!」


目が充血してる火神君を従えて、いざ会場へ。








試合会場に到着し、それぞれが時間までアップをする。


「てか、お父さんいなくね?」


「そういえば」


『いないですねー』


今回、要注意人物として注目している外国人選手が見当たらない。


「すみません遅れましたー……アイテ」


『ほ?』


下手な日本と何かにぶつかる音が出入口から聞こえた。


「日本低イナんデも……」


現われたのは初戦の相手でキーマンのパパ・ンバイ・シキだった。


「何やってんだ早く来い!」


「すみません遅れましたー」


「なんでそこだけ流暢なんだよ!!」


『やっぱデケー』


遠くからでも分かるその大きさに、感嘆の声がもれた。


「あ、そういえば海常に勝ったってマジ?」


「いや……練習試合でっスけど」


「……なんだー思ったよか大したことないんだ」


「カイジョー?」


「「キセキの世代」入ったとこ!教えたろ!」


「キセキノセダイ……負け……?」


言葉の意味を理解したパパは、めんどくさそうにため息をついた。


「キセキノセダイに勝ツため呼バれタのに。ソんなガッカリダよ弱くて……」


『言ってくれるじゃねーか』


「キセキの世代」をバカにされるのは流石にこのオレでも頭にくる




 ────ドンッ




『!?』

思わず手が出そうになったその時、前方不注意で歩いてたパパがテツヤにぶつかった


「……?」


『(気付いてなしい!)』


「……!」


暫くキョロキョロと辺りを見渡したパパは、やっと目の前にいるテツヤに気付いた。


「ダーメですヨボクー、子供がコート入っちゃあ」


パパはテツヤを軽々しく持ち上げる

…た、高い高い………



「どっから連れて来……バッ……!そりゃ相手選手だよ」


「……?センシュ……!?」


テツヤが誠凜の選手と分かると、パパは不満げな表情をした。


「あんな子供いルチームに負け?キセキノセダイてミんな子供?」


「ハハッ、かもな!」


彼らが立ち去った後、テツヤが子供扱いされていたのを見ていた先輩達は笑いを堪えていた。


『わ、笑い事じゃないで…すよ…』


かくいうオレもその一人。


「正直……色々イラッときました」


テツヤは無表情だったが、確かに怒こっていた。


「何気に負けず嫌いなトコあるよなオマエ」


『ははっ、確かに』


「んじゃ、まあ……子供を怒らせるとけっこー怖いってコト、お父さん達に教えてやるか!」


パパのおかけで、モチベーションはバッチリ。
後はぎゃふんと言わせるだけだ。


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