オセロゲーム | ナノ
借りました (1/2)





『………えーっと、』


笠松さんに無理やり引っ張って連れてこられたのはどうやらバスケ部の部室のようで


「ほら、ボーッと立ってないで座った座った!」

『あ、はい』


言われるままに、部屋の中央にあるブルーベンチに座った。



「ほら、タオル。シャツ脱いでちゃんと拭け」

『あ、はい……』



投げられた青色の大きなタオルをキャッチする。
それは海常のユニフォームと同じ色だった。


『はっ、くしゅん!』


またくしゃみだ。
ますます冷えてくる体をどうにかするために、オレはシャツを脱いでタオルを肩から被った。




すると、部室のドアが開いた。


「笠松ー……あ、いたいた」

「あ!主将、どこ行ってたんスか?!もー」

「で、その子は誰?」


『えっと、あの……』



現れたのは黄瀬と笠松さん以外のレギュラー達。

ただし、オレは彼らの名前を知らない。



「誠凜の奴だよ。ほら、さっきまで探されてた」

「ああ、あれか」

「でも何でここに?しかも上半身裸……」


『?』



シュートのフォームが独特だった奴が、体拭いてるオレとロッカーあさってる笠松さんを見比べた。



「もしかして笠松、こいつ連れ込んでイケナイことして……!!」

「バカかオマエは!」

「いでっ」



顔を真っ赤にした笠松さんが、ペットボトルを投げた。
見事クリーンヒット。



『だ、大丈夫ですか?』



倒れた彼が立ち上がろうとするのに手を貸してやる。


「ああ、ありがとう」


なかなかのイケメンだった。



「あ、オマエって身長いくつ?」

『オレですか?』

「うんそう。オレと同じくらい?」



ずっとロッカーをごそごそしてた笠松さんが、黒いTシャツを出しながら尋ねた。


『170……』

「170?』

『…………ご?』

「5?」



175です。
そういったら不思議な顔して聞き返された。


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