オセロゲーム | ナノ
キセキVS元キセキ (1/5)





よく頑張ったよ、テツヤ。
かつての仲間と闘うことは…何より辛い筈なのに。







『テツヤ……』



寝かされた黒子を見て、直也は渋面を作った。


「……どうする?」


「黒子君は、もう出せないわ。残りのメンバーでやれることやるしかないでしょ!」


『……それしか無いな』



「よし」と、気合いを入れた直也は腕組みを解いて着ていたシャツに手をかけた。



「OFは2年生主体でいこう!まだ第2Qだけど離されるわけにはいかないわ。早いけど『勝負所』よ日向君!」


『(勝負所?)』



強調されたその言葉が、妙に気になった。



「黄瀬君に返されるから火神君OF禁止!全神経注いで黄瀬君の得点を少しでも抑えて!」

『先輩、オレも……』



シャツを脱いで、いつでも出れる準備をする。



「そう…ね、火神君のアシストをしてもらいましょうか」


『りょーかい』



直也はにんまり笑うと、邪魔っけな前髪を掻き上げた。



「そんな……それで大丈夫なんで……すか?」


「大丈夫だって、ちっとは信じろ!」


「でも……」



自分がOFから外された事に不満を持った火神君。

ホント、文句の多い奴だな……




「大丈夫だっつってんだろダアホ!たまにはちゃんと先輩の言う事聞けや殺すぞ!」


『えっ…』



ぐだぐだ言う火神を笑顔で叱り飛ばす主将は、まるで別人のようだった。



「行くぞ!」



そんな主将を見ても先輩達は動じなかった。
寧ろ、普段通りって顔してる。





「ったく今時の一年はどいつもこいつも……もっと敬え!センパイを!そしてひれふせ!」


『ひれふっ……ぇえ!?』


「スイッチ入って本音漏れてるよ主将!」



何時もは温和な主将なのに、どの口が言ってるんだ。どの口が。
流石に伊月先輩も苦笑いしてた。



「あー、気にすんな。クラッチタイムはあーなんの」

「……!?」

『クラッチ……』

「とりあえず本音出てる間はシュートそうそう落とさないから。OFは任せてオマエらはDF死にもの狂いでいけ」



ビシッ!と指を差され、伊月先輩に念を押される。



『もちろんです』


彼らと共にコートに入るのはその為何ですから。


『ああ、それと……』


鈍った体に、丁度いいリハビリになるかな?


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