やっぱり嫌い (1/4)
『いや〜…とうとう来ちゃったよ』
海常高校との練習試合当日。
誠凛メンバーは海常の門をくぐった。
『うわー広っ!』
やっぱ運動部に力入れてる学校は敷地面積の規模が違うよ。
『………』
だが、学校の広さよりも気になる事がひとつ。
「火神君、いつにも増して悪いです目つき……」
「るせー。ちょっとテンション上がりすぎて寝れなかっただけだ」
『……遠足前の小学生かよ』
普段以上に悪い目付きに加え充血している火神に、直也はため息をついてやった。
「どもっス、今日は皆さんよろしくっス」
「黄瀬……!!」
「広いんでお迎えにあがりました」
何処の体育館へ行けばいいか迷っていると、黄瀬がタイミング良く誠凛メンバーを出迎えにやってきてくれた。
「黒子っち〜〜あんなアッサリフるから……毎晩枕を濡らしてんスよも〜〜……」
黒子を見つけるなり、だう〜〜と涙を流しながら黄瀬は黒子に近づいた。
「女の子にもフラれたことないんスよ〜〜?」
「……サラッとイヤミ言うのやめてもらえますか。」
『普段はフル側のくせに、よく言うわ』
直也は「はあ。」と呆れ口調でまたため息をつく。
すると黄瀬に睨まれたが、直ぐに目線を反らされた。
火神にケンカ売ってる黄瀬を見てるだけでイライラする。
『(……嗚呼、帰りてぇ)』
とは思っていても、誠凜一行は一際大きな体育館の目の前まで来ていた。
「あ、ここっス」
「……って、え?」
体育館に入り中を見ると、ちょっと信じられない光景が広がっていた。
「……片面……でやるの?」
コートをネットで区切られていて、片方では練習を行っている。
誠凜メンバーが入ってきても練習を止める気配はなし。
「もう片面は練習中……?」
「てかコッチ側のゴールは年季入ってんな……」
『ホントに試合するきあんのかよ?』
どうみても、これから試合をするんだっていう雰囲気では無い
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