オセロゲーム | ナノ
誘惑に負けたの (2/3)





『で、ひゃなしってなんれすか?』


「うん、うんそうだね……先ずは口の中を空っぽにしてから話そうか」


『あい』


店内が混んできたのもあり、食べるのがゆっくりなオレは歩きながら食べることになった。

サーティワンの出張屋台はこの近くの公園に来てるらしく、トリプルがダブルの値段で販売してるらしい










「もう大丈夫?」


『はい大丈夫です』


最後にシェイクを飲み切ると、公園に設置されたゴミ籠に投げ入れた。

ナイッシュー、オレ。


『じゃあ先輩、アイスのとこに行きながら話を聞きましょう』


「なんで上から目線?」


『まあまあ気にしない』


そしたら伊月先輩から敬語を使えと叩かれた。


「うん、まあ……単刀直入に聞くけど、いい?」


屋台の行列に並んで、伊月先輩はオレの目を見つめた。


『なんですか?』


焦らされるよりスパッと言ってもらったほうがオレとしても楽だ。




「なんで、海常戦での一投目わざと外したの?」




これはちょっと、唐突すぎですよ。


『な、何言って……?』


オレは焦った。
まさか、見抜かれていたなんて…


「日向とかは気付いてるか分からないけど、オレにはわかったよ」


練習の時は、あんなに調子よく入っていたのに。
むしろ外したトコなんて見たこと無かったのに……

と、伊月先輩の目は語ってくる。


『わざとじゃ、ないですよ?何言ってるんですか…』


「ウソ。オレの目は欺けないよ?」

『………』

「藤井?」

『あ……の、』


なんて言えばいいか困った。
確かに自分はあの時全力ではなかった。いや、全力を出せなかったと言うほうが正しいが。



「おいおい元一軍さんよ」
「まさかそれが本気なんじゃねぇよな?」
「オレたち下手くそだからさー」
「"アンタ一人で頑張ってよ"」




『その…』

二軍でやってた頃の記憶がフラッシュバックして、全力が出ないのだ……けど、それを理由に掲げたくもない。






「ぃやっほー直也!何してるのー?」


『おふぉ』


誰かが背後から飛び付いてきた。


『っつーか』


こういうことしてくるのは1人しかいない。


『ぎっくり腰になったらどーすんだよ!柏木!!』


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