久しぶりの旧友 (3/3)
「それでは体育の授業を始める。礼!」
「「「「お願いしまーす」」」」
柏木の言った通り体育は合同だった。準備体操をしながら隣のクラスを横目で見れば、テツヤがいた。
そのずっと手前には赤髪のでっかい男子がいて、睨まれた様な気がして怖かった。
「なっ、なっ?俺の言った通りだったろ?」
『ああそうだな。』
「だって俺体育委員だから先生から言われてたんだ〜」
自慢気に語る柏木。
『だったらなんでその事実をオレにしか言わなかった』
おかげで、オレが声張り上げて「体育は体育館でバスケでーす」なんて言うはめになっちまっただろう。
「ついうっかり!」
……ああ憎たらしい。
準備体操が終わったら先生から号令がかかった。
「よーし、じゃあクラスごと適当にチームをつくれ」
指示のあと、柏木は飛んできた。
このタバコ臭いオヤジ、授業とか絶対かったりぃって思ってるな。と考えてたら実際、指示は適当だった。
「だってよ!俺、オマエと組む!」
『でもあと三人……』
三人はすぐ決まった。
向こうも、仲良しトリオのようだ。名前は河原、福田、降旗だったような。誰がどの名前かは知らん。
「だいたい決まったかー?じゃあ……そことそこのチーム…一試合目やろうか」
うわ、なんてテキトーな先生……これで今まで問題にならなかったなかよ。
「よろしくお願いしますね直也君」
『え、テツヤと?』
一試合目はでかい赤髪のいるテツヤのチームとあたった。あの赤髪、またオレのこと睨んでる気がする。いや考え過ぎか?
「やべぇぞ直也…」
『あん?なんでだよ』
「あのデカいの、火神 大我って言ってな…アメリカからきた帰国子女らしいぜ」
『へー……』
肩を縮こませて柏木がオレに呟いた。ノー天気なお前が青ざめる程の奴なのか。
っつーか意外と物知りだな。
「しかもバスケ部」
『(………嫌な予感しかしない)』
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