オセロゲーム | ナノ
目標を掲げて (2/3)





「ただいまー」


『皆さんお疲れさまでーす』


「カントクと藤井が帰ってきたな」


偵察の報告をするために一旦集まってもらおうと思ったら、もうすでにトーナメント表を見ながらミーティングをしていた。



「海常の時はスキップしてたけど、してねーな」


「カントク、今日はスキップとか……」


「するか!!」


『まぁまぁカントク落ち着いて』


一年生は興味本位で聞いてみただけだから。
そんな怖い顔してやらないで。

オレはカントクさんの肩を揉んで、ご機嫌とりをする。


「公式戦でもヘラヘラしてるワケねーだろ……にしても機嫌悪りーな。強いのか相手?」


「……ちょっとやっかいな選手がいるのよ。とりあえずビデオはあとで見せるとして、まず写メ見て」


カントクさんは片手を額にやって、手慣れた手つきで携帯を操作した。


『…高速だ……』


親指の連打が止まらない…
カントクさんの携帯歴は相当なものだと今知った。


「……これは!」


渡された画面を見た首相が驚いた顔をした。


『やっぱりビックリしますよね。なんたって筋骨隆々のその上半身……』

「かわいいが……」

『はぁ?』


思わず素っ頓狂な声を上げてしまった恥ずかしい。
それにしても、かわいいとはなんぞや?


『もしかして、先輩ってそういう系の人…』


「何言ってんだ藤井。そういう系の人ってなんだよ。オレは正常だ」


『でも、だって……』


「いや、可愛いぞ。コレ」


「可愛いですね…」


『火神君とテツヤまでなんで!?』


あんなデカくてゴツイのに……オレなら絶対受け付けないのに!


「ちょっと藤井君痛いわ!揉んでくれるのはありがたいけどイタイ!」


『………すみません』


知らず知らずのうちにカントクの肩に置いていた手に力が入っていたようだ。


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