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久しぶりの旧友 (2/3)




入学式も無事に終わって数日。
気温が低く、雨続きだった。
そして、各教科の先生方の自己紹介が一通り終わり、ぼちぼち授業が本格化してきた今日この頃。




クラスのある男子がうざかった。




「ねーねー、藤井君はじめまして俺は柏木 拓磨って言うんだけど"藤井君"って呼ぶの仰々しいから直也って呼ばせてもらうよ!」

『…………』

「ああ直也ってば俺のこと無視!?よろしくの一言ぐらい言ってくれてもいいんじゃないかな!」

『……………』

「俺様チョー悲しい!」



いったい、いつ息を吸ってるのだろうか?こいつは。
そもそも、自己紹介した覚えは無いのに名前知ってるし、やたらと椅子の周りをうろちょろするし……




とにかく、うざい。





「どうせ直也も暇なんだろー?いいじゃん俺と女の子について語り合おうぜ!」

『暇じゃない読書中だ』


突っぱねて見るが効果なし。
むしろ悪化した。


「えー本!?どんなのどんなの………って、小説じゃないか!フツー高校生の愛読本といったらマンガだろー」

『……………はあ』


オレはとうとう諦めて、読みかけの本を閉じた。


『柏木、ゴー ハウス』


お家へお帰り。
オレは柏木の机を指差して言ってやった。


「ちょ、待ってよ直也ちゃーん」

『ちゃん付けキモチワルイ。いいから帰れ』


ちょっと早いが、このウザ男から逃げるために席を立った。
次は体育だから行き先は更衣室。


「オレも行くから待って!」

『……………もう勝手にしろ』


煩いのは嫌いだけど離れればそれだけでかい声で呼ばれるに決まってる。入学早々、変な噂は作りたくない。オレは静かに過ごしたいんだ



「あ、そういえば」

『なんだ?』

「次の体育、雨だから体育館でバスケなんだって!」
『……………え』

「隣のクラスと合同で!」



おいおい、マジかよ。隣って言やぁ、テツヤがいる。
静かに過ごしたいというオレの願いは既に崩れそうだ。




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