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久しぶりの旧友 (1/3)




花粉症には厳しいこの季節。
オレも毎年悪戦苦闘。
外には出たくない。
しかし帰らなければならないので、重い腰を持ち上げてやっとの思いで此処まで来たというのに……



「ね、写真部入らない?」

「水泳チョーキモチイ!」

「合唱部に来たれ男子部員!!」



校舎を出るなり勧誘の嵐。帰れる気がしない。さっきから地道に歩いてるが全然前に進んでる気がしない。


『あ〜…めんどくせェ』



近くで「ラッセル車もってこーい」なんて叫んでる人もいる。男がベソかいてんじゃねーよと思った。



  どんっ



もういっそのこと教室に戻って昼寝してようかな。今なら校門に向かうより、校舎にUターンしたほうが早そうだし。なんておもってたら、後ろに衝撃があった。


『いって、』

「あ、スミマセン……」


どうやら誰かがぶつかったようで、オレは確認のため振り向いた。




「……久しぶりですね、直也君」

『そうだね。テツヤ』


ああ、本当に久しぶりだよちくしょう。
やっと奴ら解放されたと思ってたのによ…


『君は相変わらず、影薄いね』

「直也君こそ、眠たそうな顔は変わらないですね」


万年寝不足で悪かったな。
そう言ってやりたかったが、長話しになるのは嫌なので言うのを止めた。とにかく、昔の知り合いには会いたくない。


「あ、じゃあボク…これから寄るとこあるんで」

『そうなんだ。じゃあね』


早くどっか行け、な雰囲気を察したテツヤはそれ以上聞いてこなかった。オレとしては嬉しい。
人混みのなかに溶け込んで行くテツヤに、気付かないだろうけど手を振った。

行き先はどうせバスケのブースだろう。



『オレには関係無いけどね』




そうさ。
オレはバスケを辞めたんだ


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