オセロゲーム | ナノ
影の影響力 (3/3)




「……パスミス!?」

「……じゃねえ!!アリウープだ!!」

「させねぇスよ!!」



黄瀬は誰よりも先に、テツヤのやろうとしてた事に気付いていた。

そして、火神とほぼ同じに地面を蹴った。



『ん?あれ?』



高さもタイミングも同じにしてとんだはずなのに、黄瀬の方が早く落ち始めていた。



「テメーのお返しはもういんねーよ!!なぜなら……」



火神はまだ跳んでる。
どんだけ滞空時間長いんだ



「これで終わりだからな!!!」



威勢のいい声とともに、ボールはリングに押し込まれた。

100‐98。
かの強豪校、海常高校をうち破った瞬間だった。



『まあ、ギリギリだけどね』







誠凜側に喜びの声が沸き上がる中、満足そうな顔をした選手らが帰ってきた。



「皆お疲れ!さあ、早く荷物まとめてちょうだい。そんであの武内にぎゃふんと言わせるわよ!」


『…………』



カントクさんの目は、爛々と輝いていた。
確かにあのデブの泣き顔は見てみたいものだが……



『あ、』



ベンチを片付けてると、赤く血に染まったタオルが転がった。



『テツヤの血か…』


血は、早く洗わないと染みが濃くなる。

……どれ、洗いに行きますか



『ねえ、火神君』

「なんだよ、片付け忙しいのに」

『このタオル、ちょっと洗ってくるからオレの荷物テキトーに片付けといてくんない?』


オレ、あんまり散らかしてないと思うし。



「……ん、ああ。わかった」

『サンキュ』



火神に礼を言って、カントクさんに一言伝えて、オレは体育館の外に向かった。



『確かこの辺にあったような…』



体育館にくる途中、水道が設置されてるのを見かけた。



『あ、あったあった』



角を曲がったら直ぐに見つかった。



『お借りしますねー』



誰も居ないとわかっていても、なんとなく許可は取っておきたい。




 ガラッ




『?』



前方で、ドアの開く音がした。



「藤井……」

『…やっほう黄瀬君』



ヤな奴が現れた。


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