オセロゲーム | ナノ
戦って知ること (3/3)





 バシッ!



「ぐっ……」


「アウト・オブバウンズ!!白ボール!!」



またテツヤのパスがカットされた。
試合が始まってそろそろ10分になろうとしている。



『にしても、早すぎだろ』


テツヤのミスディレが切れるの……


『あ、なんか話してる』



リスタート待ちの間、黄瀬が火神に近づき何か話している様子がベンチから見えた。



『うーむ。聞こえない』



しかしまぁ、諦めたらいいとか誠凛と海常じゃ5人の基本性能が違いすぎるとか、どう頑張っても君らには勝ち目ないよ。
みたいなこと言ってるんだろ。
あの黄色は考え方が浅はかだからな…




「クックック……ハッハ……ハハハハハ……!!」


「……?」


『火、神君?』



突然、火神は笑い始めた。
黄瀬との会話中に何があったというのだろうか?



「ワリーワリー、ちょっと嬉しくてさァ……そーゆーこと言ってくれる奴久しぶりだったから」



笑い声のおかげで無駄な騒音は消え、火神君達の声が良く聞こえるようになった。



「アメリカじゃそれがフツーだったんだけどな」


「え!?アメリカいたの!?すげえっっ」


「日本帰ってバスケから離れたのは早トチリだったわ。ハリ出るぜマジで。やっぱ人生挑戦してナンボじゃん。強ぇぇ奴がいねーと生きがいになんねーだろが。勝てねェぐらいがちょうどいい」



『強い奴がいないと生きがいになんない、か……』



全てにおいて一番じゃないと気が済まないアイツは、何を生きがいにしてるのだろうか。

…そういうオレも、生きがいなんか持ってないけど。



「まだまだ!これからだろ!聞いてねぇゴタク並べんのは早えーんじゃねーの?……おかげでわかったぜオマエの弱点」


「!?」


「自分から言い出しづらかったのもちょっとわかるわ」



火神は辺りをキョロキョロと何かを探し始める。



「見ればできる?見えなかったら?そもそも元からウスいのが前提じゃ、やれって方がムリな話だろ」



テツヤを見つけた火神君はテツヤ捕まえると引き寄せ、黄瀬の前にだした。



「いくら身体能力が優れてるオマエでも、カゲを極限までウスめるバスケスタイルだけはできない。……つまり、黒子だろ!オマエの弱点!」


「何すんですか」



テツヤが弱点。
ヒント無しでそこまでの答えが出せたなら、よしとしますか。


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