やっぱり嫌い (2/4)
「ああ、来たか。今日はこっちだけでやってもらえるかな?」
館内の様子に惚けていると、海常の監督がノロノロとやってきた。
「こちらこそよろしくお願いします……で、あの……これは……?」
「見たままだよ。今日の試合、ウチは軽い調整のつもりだが……出ない部員に見学させるには学ぶものがなさすぎてね。無駄をなくすため他の部員達には普段通り練習してもらってるよ。だが調整とは言ってもウチのレギュラーのだ。トリプルスコアなどにならないように頼むよ」
『(ああ、こりゃアレだ。監督が有能なんじゃなく、単に選手が良いから強豪って呼ばれてるんだ)』
あまりの見下したその態度。
直也はそのぷよぷよとした顔を殴ってやりたくなった。
「……ん?何、ユニフォーム着とるんだ?黄瀬、オマエは出さんぞ!」
ユニフォームに着替え始めた黄瀬はそれを止められる。
「え?」
「各中学のエース級がごろごろいる海常の中でもオマエは格が違うんだ」
「ちょっ、カントクやめて。そーゆー言い方マジやめて」
「黄瀬抜きのレギュラー相手も務まらんかもしれんのに……出したら試合にもならなくなってしまうよ」
『(勘違いも甚だしいな…)』
本気でそうなると思ってる海常の監督の言葉に、全員怒り浸透。
誰もが凄い剣幕で睨んでいた。
「すいません、マジすいません。大丈夫、ベンチにはオレ入ってるから!あの人、ギャフンと言わせてくれればたぶんオレ出してもらえるし!オレがワガママ言ってもいいスけど……オレを引きずり出すこともできないようじゃ……「キセキの世代」倒すとか言う資格もないしね」
『ヤロウ……』
黄瀬の挑発に流石に直也も黙ってはいられなかった。
「オイ、誠凛のみなさんを更衣室へご案内しろ!」
何処までも上から目線の武内という監督。
"そろそろ、あのビールっ腹に蹴り入れて良いですか?"
そう呟いたら日向先輩からげんこつを食らった。
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