バスケ部の本気 (3/3)
『おはよう柏木』
「あ!おはよう直也っ。なぁ、オマエ見たか!?校庭の白線!」
教室に入って柏木に挨拶をする。
するとアイツは今日も笑顔で近寄ってきた。
『ああ、見たぞ。踏もうとしたら窓から身を乗り出してる奴らにしこたま怒られた』
「ははっだろうな」
『いったい何なんだ?アレ』
「アレかい?まあ、見てみれば直ぐに分かるさ!」
『?』
にんまりと含み笑いする柏木に連れられ外を覗く。
『ああ……なるほどね』
そこには、
「日本一にします」
って書いてあった。
「ね、これって誰が書いたんだろうね!凄くない?凄くない!?」
『あーはいはい』
「え、それだけ?反応薄くないかい、ねえ直也」
『別に。やった奴の目星はついてるし』
オレは机に戻って、中から紙を取り出す。
「あ、それって……」
『ああ。ちょっと行って来る』
入部届けを出しに。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『カントクさん、コレ』
「わあ!入部届けじゃない!毎日通ったかいがあったわ。ありがとう!」
カントクの教室まで入部届けを持っていったら、凄く喜ばれた。
『入部はするっスけど…ちゃんとやるかはその日の気分ですよ?』
一応、確認は取っておきたい。
「いいわよ別に。練習したくなるようなメニューを考えるのも私の仕事だもの。むしろ燃えてくるわ」
『……それじゃ、お願いします』
どんなメニューにしたら良いか早速考える始めてしまったカントクさんに一言いい、オレは教室へ戻った。
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