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後輩の敬意をおくる (2/5)





「ははっ、火神の借りを…!?大室さん!マーク変わってもらえないですか」


「はあ?なんでだよ」


「いやぁ、なんか代理人が返済にきたらしーんで!」


津川は黒子と向き合った。
藤井は手持ちぶさたそうに辺りを見渡した。


『………あ、じゃあ、大室さんとやらにオレの相手でもしてもらいましょうかね』


「んだとっ!?」


藤井の悪意のない言葉が、大室の逆鱗に触れたようだった。


「はっ!威勢よく啖呵きってたわりには、結局すぐ一年の力借りるんだな」


先輩の意地とやらはどこ行ったんだよと、大室は鼻で笑う。


『しゃーねぇだろ。先輩は5人しかいないのに1人気ィ失ったんだから………!』


最後まで言い切らずに、藤井は動いた。


「は?ちょっ……速!」


『テツヤがパスするみたいなんでね!』


よかった、勘は鈍ってないようだと藤井は内心ホッとした。



囮となるべく藤井は地を蹴る
スキール音を響かせて走りだした藤井に多くの視線が集まった一瞬を狙って、黒子は日向にパスを出す。




 ────バシャッ!




ノーマークだった日向のボールは難なくゴールに入った。


『ひっかかったね、坊主』


「っく……!」


藤井のフェイクにまんまとかかった津川は悔しそうに顔を歪ませた。


『次はちゃんともらいますけど』


にやりと笑って、藤井は津川のディフェンスをうまく抜け出す。


『くれ、テツヤ!』


「……!」


藤井からの要求に驚きつつも、黒子はカットしたボールをそのまま送る。


「行かせねぇ!」


『大室さんには無理だよ』


宣言通り、誰にも邪魔されることなくインサイドまで駆け込んだ藤井はフェイダウェイでシュートを決めた。



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