オセロゲーム | ナノ
ターゲットは火神 (4/5)





なんで、どうして。

そればかりが頭の中でループする。


『でも、』


今は試合に集中するしかない。
決勝へと進むために




なるべく余計なことは考えないようにして、オレはコートに視線を送った。


『……!』


「うっおっ……」


「すっげえ!!一段と厳しい!!」


「いよいよ東京最強のDF全開か!」


「来た……!!」


これまた厳しいディフェンスが誠凜を襲う。



「もうさっきみたいに抜かせないからね!」



坊主が火神の前に立ち、自信満々に言う。

だが残念だ。


『お前の相手は一人じゃない』


「ええ!?」


テツヤとの連係プレーに驚く坊主。
気付いた頃には抜かされていた


「させん!」


「ヘルプ早ええ!!」


しかし2人は華麗な連係プレーであの岩村までも易々と抜く。

火神はダンクを決め込んだ。


「うおおお」


「なんだ今のは!?」


「津川と主将を二人抜きだと……」


歓声が沸き上がるのも無理はないと少し誇らしげになると同時に、淋しさも感じた。


『オレの出る幕はない、か……』


やっぱり、インターバルでの主将の言葉を引きずってしまう…


『いかんいかん』


今は試合に集中せねば。
そう思って、シュートしたばかりの火神君を見た。



『汗、凄い……』



あれは、第2Qでかく量じゃない。
完全なるオーバーペースだ。


『(原因はあの坊主しかいない)』


坊主を見れば、汗を拭う火神を見て怪しげに笑ってた。



あれは、何かを狙ってる目だ。


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