オセロゲーム | ナノ
坊主、嫌い (1/2)





『うむ、つまらない』


自分等の試合に言う言葉じゃないけど、オレは言わずにはいられなかった。


『このまま負けんじゃねーの、オイ』


12対0とかそんな大量得点取られれば、イライラもしてくる。


「落ち着けよ藤井」


『これが落ち着いていられるか』


福田になだめられるが、イライラは強くなるばかり。


『なんで今日もベンチスタートなわけ?』


「カントクにも考えがあるん……あ、また火神が、」


『ミスったな』


パスをもらう火神。
しかしすぐ近くで坊主が強烈なガードをしていて、シュートに繋げられない。


『なぜ抜けない』


坊主が笑顔なのも気に食わない


「そう荒れるなよ」


『気にするな、福田は応援してろ』


「いや、隣でそんだけ殺気立ってたら気になる」


『そうか。ならば受け流せ』


「………努力しよう」


そんな無駄話をしている間にも、伊月先輩がレイアップを阻止された。


フリーだからって、最後のツメが甘いんだよ。



『なんでかなー』


なぜ点が取れない。
なぜ流れを変えることができない。

その原因はやはり火神君にあるような気がする。


『アイツがアクセル役だからな』


しかしその張本人は、未だ踏み込み切れてない




「おい津川、ハリキるのはいいけど後半バテんなよ!」


「大丈夫っスよー思ったほどじゃないんで!」


火神君をしつこくマークする坊主は、ピースしながら振り返った。


『うっわ、何あの余裕』


自分がイライラしてる一番の原因は、あの笑顔だと悟った。


『そうか、オレ……アイツが気に食わないのか』


だからイライラするのか。


「チャージング!白10番!!」


「なっ……」


ディフェンスを強引に抜こうとした火神は坊主と接触してしまい、ファールをもらった。


「あのアホは〜どんだけ頭に血が昇りやすいの!?」


「火神―!落ち着け!!」


「火神君もう2コ目です」


「……わかってるよ!!」


多方面から怒られる火神君は余計いきり立つ。

だいたい、5つになったら退場ですけど…分かってます?


『あの様子だと、わかってないな』


しかもパスが出せないとは。
テツヤにボールが渡ったとしてもパスコースがないんじゃ意味がない。


『カントクさん、タイムアウトとろう』


いや、取ってください。


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