不撓不屈 (4/4)
本日の二試合目は対白稜高校
現在の得点、83−83と同点。
『っつーか、さっきからずっとこの調子なんだよな』
うちは部員が少ないから、ほとんどの選手がでずっぱり。
「「「行け行け誠凛!押せ押せ誠凛!!」」」
ベンチ組だって一所懸命応援する。
『あー…なんか伊月先輩が……』
転びそうだな。と思ってたら、本当に転けた。
「レフェリータイム!!」
試合が中断されるのとほぼ同時に、オレとカントクさんは駆け出した。
『大丈夫ですか!?』
病院沙汰になってしまったら大変だ
「足つった……」
「大丈夫か!?」
「伊月君交代す……」
「大丈夫。あと2分ちょいだろ?鶴もよく足つるらしいし」
心配する人でできた輪の中心で、絶対零度の風が吹いた気がした。
あくまで、そんな気がしただけだけど。
『………さむ』
「大丈夫だ!行くぞ!!すいません審判再開お願いします!」
「キビし!!」
なんとも無かったかのように、再びスタートした。
「だアホ!!全員声出てねーよ!!疲れてんのは相手も一緒だ!!おとなしくなる前にもっとマシな言いワケ考えろ!!どいつもこいつも草食男子かバカヤロー!!」
『うわ、スイッチオンした』
こうなった主将は頼もしいけど、ちょっと口が悪いから苦手かも…
『あ、テツヤもミスってる』
時間の経過とともに小さなミスも増えていく。
本当に、接戦だった。
『やばい!外すな!!』
しかし主将のシュートしたボールはリングに当たって入らなかった。
「火神君!」
隣でカントクさんが叫んだ。
それと同時に、火神がこぼれたボールを押し込んだ。
「試合終了!!」
ブザーが鳴る。
僅差で誠凜が勝利し、決勝戦進出を果たした。
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