オセロゲーム | ナノ
不撓不屈 (1/4)





『おー、やってるやってるー』


オレらが席についた頃には、もう試合が始まっていた。


「なんだ藤井、そんな後ろで見んの?見える?」


『バカにしないでくださいー先輩こそもっと前で見ても良いんですよ?』


「ちょ、見えるっつーの!」


日向先輩を弄ったり、弄られたりしながらオレはテツヤの後に座った。







「第2Q残り4分でもう30点差……さすが……ってカンジね」


「……」


「……フン!」


皆も何だかんだ言って、食い入るように見入っていた。


『よく入るなー』


「でもやってることはオレらとあんま変わらないのになんかスゲーカンタンそーにバスケやるよな……なんでだろ?」


一年の誰かがポツリと呟く。
すると前の席にもたれかかってる主将が丁寧に説明してくれた。

ミスが少ないからだよとか、当たり前の動きをきっちりこなせるからだよとか。


『なるほどー』


帝光ではどの選手もこんな感じだったから…そういう理屈なんだっていうのは初めて知った。


「カンタンそうに見えるってのはつまり……基本がガッチリ出来てるってことだよ。ま、あくまで基本だ。それ以上の理由が当然ある……それは、」


『あ、ダンクだ』


「絶対的な得点源がいるってことだ……」


あれは確か主将の大坪。
身長もそこそこよくて、何よりガタイが良かった。


「すげぇダンク」


「マジあれ高校生!?」


「また一段と力強くなってるわね」


「去年、アイツ一人でも手に負えなかったんだけどな……」


初めて見る者は単純に驚き、先輩方は苦い顔をした。


『たぶん、去年の秀徳は大坪さん主体で中は強固で外は普通…だったんだろうなぁ』


しかし今年の秀徳は去年とは違う。
「キセキの世代」で、外からの攻撃を得意とする彼が入っているのだから


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