オセロゲーム | ナノ
忘れてたボールの感触 (2/3)





それじゃあ始めようか。
気だるそうな先生がホイッスル吹いて試合するメンバーをコート中央に集めた。



『っとー、その前に……』


オレはメンバーの方を振り返った。


『オレさ、柏木以外名前が知らねぇんだ』

「えー、これから一年お世話になるクラスメイトの名前も覚えて無いなんて直也君ひどーい!オレなんて入学式中に皆の顔と名前覚えたんだぜ!?」

『黙れ柏木』


一息で陽気に喋りだす柏木を睨んで黙らせる。
そして3人に向き直った。正確に言えば名前は分かる。だが名前と顔が一致しない


「ああ……オレは降旗。隣が福田で、その向こうが河原だ」

『そうか、よろしくな』




そして、やっと試合が始まった。うちのクラスの奴らはトリオ達に期待していた。どうやらアイツらバスケ部らしいし。もちろん相手クラスは火神に期待。



『ほれ柏木、シュートだ』

「えっ、あ……」


スリーのラインまで適当にドリブルして進んでいき、反対側にいた柏木にパス。
奴は難なくレイアップした。


「なっ……!!」

『ん?なに驚いてんの火神君。早くリスタートして』


火神は、オレらが早速点を取った事が以外だったらしい。
奴らがリスタートでもたもたしているうちにオレはハーフラインまで戻った。



「んなもんたまたまに決まってる」

『それは…どうかな?』



案の定、
ボールは直ぐに火神の元へ。
オレと1対1のような形になった。






「くそっ……抜けねえ!!?」



火神が右へ左へとフェイントをかけてくるのだが、なかなかシュートに繋がらない。


『もたもたしてるから、人が集まってきたぜ?』


素人どもは無駄に邪魔してくる。
それが火神をイラつかせる一因でもあった。


『ほら取った』

「あ!」


そして、ゴール下で待機していた河原にロングパス。


 ────パシュ


どフリーだったため簡単に決まる。



『どうするよ火神。何度やっても同じだぜ』



まあ、テツヤとか使えば…
勝機は無くもないかな。



prevbacknext
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -