体育館について入学式がはじまった。校長の話から来賓の話まで、話から話が長いのなんの。 途中で寝たりする奴もでてきた。(主に神楽ちゃん、高杉、沖田くん)それを見て土方くんがこめかみに青筋をたててたのは見なかったことにしておこう。 ぐるりと周囲を見渡して、一番目に入るのは女の子。私たちの倍はいる女の子の数。みんなけしからん。けしからん服装をしておる。 スカート丈短っ髪の毛盛ってるっまつげバシバシっ!! それに比べて私は…何もねェな。
「ねえ、これっていつくらいに終わる?」 「多分、あと少しで終わる」 「ありがと」 「あァ、礼はいいからそいつら起こしてくれ」
土方くんは昼寝トリオを指差した。こいつらを、起こす…?私の身に災いが降りかかるわ。死ねってか私に死ねっていうのか。 とりあえず三人とも肩をつついたけど、起きる気配はなかった。全く起きそうにない。 沖田くんと神楽ちゃんは仲良く頭をくっつけて寝てる。起きたときが心配だけど…、二人とも照れ隠しのためにどんちゃんやらかすんだろう。やめてくれ私が死ぬ。 それにしても高杉の寝顔はキレイだ…。見惚れてしまうのも無理はない。もう見惚れてる。 かっこいいんだもん。イケメンなんだもん。こいつ黙ってたらかっこいいのにな…流石イケメン。まつげ長いね!
「うふふ〜、イケメンげっつ」
音が出ないようにあらかじめ設定しておいた、携帯のカメラで高杉の寝顔をげっとする。それをしっかり保存しておく。 まわりの女子がざわついているのは高杉が寝てるのと、神楽ちゃんと沖田くんのことだろう。 神楽ちゃんと沖田くんは幸せそうだから放っておくとして、高杉の寝顔をこれ以上晒すわけにはいかなかった。他のやつらが見てると思うと無性にむかむかして、肩をがつんと殴ってやった。
「い゛っ」 「起きろアホ」 「バカ力」 「うっせ!」 「怪力」 「ちょっと黙ろう?ね、三分黙ろう」
それでも眠いだのだるいだの、マイナスなことしか言ってこない。こっちまで眠くなるこっちまでだるくなる! 思いっきり耳を塞いだらその手をどかされた。
「なに!」 「アイツら起こさねェのか」 「ああ、」
アイツらってのは神楽ちゃんと沖田くんのことだろう。
「幸せそうだからしばらくああしておこうって思ってさ」
二人の寝顔はどちらも少しだけ微笑んでいた。神楽ちゃんはよだれたらしてたけど。 いい夢でも見てるんじゃないかな。
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