学校についてわいわい騒ぐみんなはいつもと変わらないのに、変わってるっていうと私だって。 そりゃあもう高杉の後ろでそわそわしてて、挙動不審で。こいつなんか企んでるだろって一発で分かると思った。
「ねぇ凛ちゃん何してるの?」 「な、なにも…」 「とぼけても無駄よ何してるのか聞いてるんだから答えなさい」 「いや、まだなにもしてないから」
それ事実なんだけど!志村さん恐いよ!
「まだってことはこれからなにかするつもりよね?」 「えっ、す、すすす、するわけないじゃーん。私が何をするのだと思うのだ志村さん」
死んじゃうこれ確実に死んじゃう。私の死は確定してると言っても過言ではない。
「それにしても、朝から一緒に登校なんて随分発展したんじゃないあなた達」 「それに関しては否定も肯定もできません」
へにゃりと首を曲げる私の頭を、志村さんは呆れたようにがしゃがしゃと撫でてくれた。 この人が荒っぽいのは知ってたけど…、荒っぽいっていうカンジじゃないんだけどもう髪の毛ぐちゃぐちゃだよ。 それから上を見上げると志村さんの笑顔が恐かったのが数分経っても忘れられない。 恐くて腰を抜かしてしまった私は、違うクラスのおりょうさんの所に行った志村さんにバレないように、そろそろと沖田くんの元へ向かった。
「ねえ、ねえねえねえねえ。なんで志村さん機嫌悪いの」 「なんでも、近藤さんが姉御のことが大嫌いだって叫んでるのに家まで来たらしいぜィ」
ぐぎっと全身の骨が音を上げたきたした。 じゃあ、近藤くんも気がついているわけであり…今さら私が何したところできっとみんな驚かないよね。
「まさかお前もなんかしようと企んでたんですかィ?」 「まぁ…実は私って可愛くね?ってみんなの前で言おうと思ってたんだけどさ」 「可愛くねーし。それエイプリルフール関係ねーし」 「え!?関係ないの!?」
関係ないに決まってんだろ!とめちゃくちゃに怒鳴られた私はしゅんとしながら自分の席へ向かってうつぶせになって、何をしてやろうかと考えていた。
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