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「携帯どう?使える?使いやすい?メアド教えてー」
総悟君に携帯を送ったあとすぐにメアドを教えてと悲願した。
総悟君は結構携帯をいじっていたから使い方は分かったみたいだけど。
「へーへー」
テレビを見ながら私に携帯を差し出してくれた総悟君。
私はすぐ赤外線で総悟君のアドレスを送って登録し、総悟君の携帯にも私のアドレスを贈った。
「あ、そうそう。明日母さんと父さんのお墓参り行くから。そこまで遠くないけど総悟君も来る?」
「行きまさァ」
「じゃ、おやすみー」
もう結構遅かったから私は部屋に入り電気を消して眠りについた。
その時、総悟君が考え事をしていたのを私は知らない…――
「おはよーございまさァ」
「おはよーかん」
くだらないギャグを朝から言われて顔を歪める総悟君。
それでも私はなにもせずにお墓参りにいく準備をしていた
「それじゃ行こっか」
「おーう」
家に鍵をかけて私達は昨日歩いた道を歩く。
ものの数分で母さんと父さんが眠っている場所へついた。
「父さん、母さん…今私はすごく幸せです。これが総悟君って言ってね、この前喧嘩した子。でも今はすっごい仲いいんだよっ」
「美香の父さん、母さん…はじめまして。沖田総悟でさァ」
私の横に来てお墓に話しかける総悟君。
そんな総悟君を見つめていた。
「俺は別の世界から来たんでィ。その時に会えたのが美香でよかった。美香みたいな奴と暮らせてよかった」
その言葉に自然と笑みがこぼれてしまう。
「これからも美香と暮らしていきまさァ。美香は絶対俺が幸せにしまさァ。だから……美香を俺にくだせェ」
「へぇ…っ?」
突然の告白に今までにないほど顔が赤くなる。
総悟君は私の大好きな笑顔で私の方を見つめる。
まるで返事を待っているかのように…――
「はい、もちろん。私を幸せにしてください」
私もそう、笑顔で答えた。
そして母さんと父さんの前で私達は誓いのキスをした。
私達の結婚式は今ここに挙式された。
「さ、帰ろう」
「おぅ」
私達は帰路についた。これから二人で暮らしていく家へ行くために。
もしかしたら家族が増えるかもしれない。私達の家族が暮らす家に。
「ふぁーあ…今日はバイトもあったし疲れたから寝るーおやすみーぃ」
「おう、お休み。」
私は家に着いた後すぐにバイトに出かけた。
それで疲れてはいるが寝る気ない。私は外へ出た。
総悟君にバレないように。
「ホワイトクリスマス…かぁ」
雪が降った。ホワイトクリスマスになった。積もった雪の上に私は総悟君へのメッセージを書く。
そして、書き終わったところで総悟君へ電話をかける。
「もしもし?」
『もしもし、美香?』
「窓の外見てー」
そう言ってすぐに電話を切った。
総悟君が自分の部屋の窓から私のいる雪の上を見つめる。そして…――
「俺もーっ!!」
と叫んだ。
私が雪の上に書いた言葉は…『ダイスキ』。
私は
俺は
この世界にいて
この世界に来られて
君と出会えて
本当によかった…――
――ダイスキ
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