>>families 1/9




私と新八くんと土方さんは屯所から出ていた。でかいテレビ画面では髪の長い長谷川さんらしき人が「ダンボールの神様」という曲を披露する前だった。司会者は「髪切った?」って言ってたけど…


「一体…どうなってるんすか」
「こっちがききてーよ」
「いや、私が一番聞きたいです。何も説明されてませんから、二年後ってなに?どゆこと?」


私たちはベンチに座り話していた。新八くんは目がうつろうつろしてる。
大丈夫かおい


「一週休載あけ屯所に戻ったら全てが変わっていた」
「一週っていうか…ここだと相当休載してますよ」
「俺は地位も名誉も居場所も失っていた。まるで俺だけおいてみんな2年後にいっちまったように」


よく分からないけどここは2年後。休載する前とは別の江戸、屯所、かぶき町。私は新八くんや土方さんと一緒に取り残されたらしい。


「なんであんな…変わった演技なんかしてたんですか」
「おかしいのは奴等ではなく俺だと思ったからだ」
「たしかに…あんな屯所見たら自分がおかしいと思いますよね」


ジミーが副長で総悟はカイザーで土方さんはパシリで…そんな屯所見たら嫌でも自分はおかしいと思う。ジミーが土方さんをパンパン叩いてるところなんて、今まで見ることがなかったのに見てしまった。


「そりゃそーだろ。俺以外の全員がみんな変わってるんだ。イレギュラーはどう考えても俺だ。状況は変えがたいならば俺が順応するしかねーだろ」
「俺以外って…私は変わってないですよ。昔のまんまピンッピンしてるけど」
「近藤さんが消え代わりに総悟が隊を牛耳り 山崎が俺の上司という状況。そりゃあ…もう笑うしかねーだろ」


なんでだろう…なんか涙出てきた


「だが…やっぱり俺にはムリだったみてーだ」
「…え?」


ベンチの後ろにはロープでぐるぐる巻きにされたジミーが。それはもう鼻から血をだして私の知ってるジミーだった…と思いたい。


「ひ…土方てめぇこんな事してタダですむと思ってんのか…あん」


その言葉を聞いて土方さんはジミーに刀をブッさした。「あん゛」短い悲鳴が聞こえて私はちょっと顔が青くなった。
まあ…パシリの土方さんも悪くなかった…





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