>>families 1/6




「オイオイ大丈夫か。ブリーフなんぞで泳いだらパンツ透けるぞ。土曜八時でもないのに暴れん坊将軍まる見えだぞ」
「詮なき事。将軍家は代々…さびしん坊将軍だ」


そ…そういう問題なんですか?


「一度「ぷーる」なるもので泳いでみたかった。市井の者達が夏をどのように過ごしているのか身をもって知るいい機会だしな」


ていうか、将軍様がこんなところに来ていいワケ?とっつぁんなんてところに連れてくるんだ。何がさびしん坊将軍だ。私はキャバクラのとき、総悟に連れ出されたからあの後何があったか知らないけど、大変なことがあったんですねー。


「ったくもの好きなやろうだな。じゃあ俺は一足先にいつものところにいるから汗流したら来いや。オイおめーら係員なんだろ。後の事は頼まァ。プールでの遊び方教えてやってくれや。一応お忍びで来てるんでなくれぐれも将軍ってことは内緒にな。紅葉ちゃん頼んだ」


た…頼まれたァァァァァ!!やめてェェェ頼まないでとっつぁん!私ムリだよ、将軍様の相手したことろくにないんだからさァ!!


「あ、なんかあったら俺もお前らも全員首飛ぶからな。そこんとこヨロシク」


ちょ…ちょっと待ってェェェェェェェェェ!!!こっ…これからプール貸し切りでバカンスだってのになんでこんな所に性分!?なんでこんなタイミングでいつも将軍!?なんで、チ○コだけ消毒!?
冗談じゃない。このプールは普通のプールじゃないんだ…!
江戸中のバカどもがバカンスしてる、バカミューダトライアングルなんだよ!!


「なにやら楽しそうだな。彼の者達の仲間に余も入りたいのだが」


キャッキャッはしゃぐバカどものなかに将軍を入れるということは…
サメの群れの中に全裸でマラカス一丁のマツケンを放り投げるようなものだぞ!!


(ど、どーすんだ銀さん。将軍に何かあれば俺達はパラダイスから一気に地獄行きだぞ)
(今さら四の五の言っても始まらねェ。将軍が遊びたいって言ってんだからしゃーねェだろ!!と…とにかくあのバカどもから将軍護れんのは俺達しかいねーんだ)
(そんな事言ったって…私護れる気がしません。神楽ちゃんとかお妙さんに勝てる自信がありません)
(いいから行くぞ紅葉。なんとかバカどもフォローして将軍に楽しんで帰ってもらうしかねーだろ。アンタは将軍に帽子と水中眼鏡かけさせとけ奴等にゃバレねー方がいいだろうから。俺らは話しつけてくるから)


ハッピを脱ぎ捨てて、水着になった私たちはザプッとプールの中に入った。ザプザプと水を掻き分けてみんなが遊んでるところまで行く。


「あの〜ちょっとみんないいか」
「どうしたアルか銀ちゃん。銀ちゃんも一緒に遊びたいアルか」
「いや俺つーかあの。あちらのあの将ちゃんていうんだけど、あの人がおめーらと遊びたいっていうのよ一緒に遊んでやってくれるか」


銀さんが親指で将軍を指差して言った。


「全然私達はいいですけど」
「仕方ないな、仲間に入れてあげますかお妙さん」
「カワイイわね。いるいる友達の輪にスムーズに入れないああいう不器用な子」
「こっちに来いよ、将ちゃんん。私達はもう友達。若に話しかける事は禁止だが!!」


ザバァァとストーカー三人組が水から出てきて、みんな将ちゃんと遊ぶことに同意してくれた。よかったぁ、これでちょっとはなんとかなりそう。でも近藤さん、アンタは遊ばないといけませんからね立場上。気づいてないかもしれないけどさ。


「別にわっちも構わんが、あの男のアレ、水着ではなく下着じゃないのか」
「本当だマナー違反じゃないのか、あまり気分がよくないな」
「下着も水着もたいして変わんないでしょ。小さいわね10位と14位のくせに」
「どんだけ引きずってんですか、さっちゃんさん」
「同じじゃないアル、下着は長時間つけてるから色んな汚れが染みついてるね」
「いや大丈夫だからあの人のはキレイだからあの…わりと高貴な人なんで」
「いやでもよく見たらなんかついてるわよ」
「え?マジで!?そんなんついてたんですか、気づかなかったわ〜」
「え?何が?ちょっとやめて、聞こえるからやめて」
「あっホントだ!!先っちょだけなんかぬれてるぞ」
「やめろっつってんだろ!!消毒液あっこだけかわいてねーだけだよ!!」





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