>>families 1/7




前回のあらすじ
なじみの定食屋の親父の葬儀ではち合わせした万事屋と真選組
おだやかに進むと思われた式の最中銀時と土方と紅葉死んだ親父の……以下略。



ぐったりとうなだれてる四人を見てさぁぁぁっと血の気が引いた。総悟ぉぉぉお!大丈夫か、総悟ぉぉぉお!と心配してやりたいところだが、今そんなことしたら私も危ない。銀さんと土方さんと一緒にサッと自分の場所へ戻った。


「あのォ…大丈夫ですか。お連れの方々」
「あ、いえ。ちょっと正座で足がしびれちゃったみたいで。アハハ…」
「足がしびれたっていうか…白目剥いてますけど」
「元々四六時中白め剥いてるオチャメな連中なんで。休んだら元に戻ると思うんで…お構いなく」


心配してくれる遺族の人にはは、と苦笑する。銀さんも私も土方さんも汗がダラダラだった。前を見れば親父さんがめがねの魂をくるくると指の上で回していた。左手にはめがねの魂。右手にはその他の魂が三つある。
汗がさっきよりも多く吹き出た。


「ま…まさか…魂まで抜いちまうなんて…洒落になってねェ…洒落になってねェよ、親父…」
「つーか…アレホントにアイツらの魂なのか…」
「で、でもめがねの魂いますよ。間違いないんじゃないですか…?」
「ああ、間違いねーよ。一匹眼鏡かけた奴がいるだろーが!!」
「つーかなんで魂まで眼鏡かけてんだよ」
「魂まで眼鏡つーか眼鏡が魂なんだよ、新八(アイツ)は!!」


ふわふわと浮いているのは新八くんの魂だと思われる。さっき、親父が左手に持ってくるくる回していた魂も新八くんのものだ。新八くんってか、眼鏡の。


「と…とんでもねェ事になっちまった。なんとか魂(アレ)をとり戻さねーと。このままじゃ奴等一生白目剥いたままだぞ!!」
「や、やだぁ!白目の総悟とかいや!白目のゴリラ嫌だ!とり戻すぞ!!」
「と…とり戻すって一体どうやって」
「逃げ出そうとしたのが気に食わなかったみてーだし。最後まで葬儀に参加するしかねーだろ。キッチリ葬儀を行って成仏させてやればきっと…………」
「ふざけんじゃねーぞ。下手こいたら俺たちまで魂抜かれちまうかもしんねーんだぞ!!そんな事になったら全員白目剥いてジ・エンドだ!!」
「抜かれてる人たち助けなくてもいいんですか!?それでもアナタはジャンプの主人公ですか!?」


明らかに孤立している私たち。他の人が涙している中、私たちは汗を流しながら必死になって何かをしゃべっているんだから。すっごく分かりやすく孤立している。


「お…落ちつけ。告別式も釘打ちも終えたんだ。もうスグ葬儀は終わる。もうあとは目立たねェようにおとなしくジッとしてればいいんだよ。これ以上親父の怒りを買うことだけは避けるんだ。」


銀さんが耳を塞いで何も聞こえないようにしていた。そんなに怖いのか、銀さんは。

「いいか、余計な事はするなよ。とにかく動かずじっと正座してるんだ」
『それでは出棺の儀にうつらせてもらいます。お手数ですが男性の方はお手伝い願えますでしょうか』


土方さんがべらべらと話している中、葬儀はどんどん進んでいく。もう出棺の準備だ。


「確か、親族は頭の方を持つんだったよな」
「光子さん、すまんけどワシ最近腰痛めててのう……」
「あの誰か若い方手伝ってもらえます?あっ!!」


遺族の人がこんなところに!とでも言うように目を輝かせながら私たちの方を見ている。


「銀さん、土方さん。悪いけど手ェ貸してもらえる。棺桶運ぶの」


その言葉を聴いた瞬間に二人は同時に左肩の骨を折ったりだとかはずしたりだとかした。
ええーーーー!?大丈夫かよォォォォオオ!!





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