「おにーちゃーん」


甘ったるい声、というかものすごく可愛らしい声で俺のことをお兄ちゃんと呼ぶめちゃくちゃ可愛い妹、名前。
俺は絶対に妹になんか恋はしねえ!新八みたいにシスコンにはならねえ!って思ってたが、そんなこと無理に決まってる。
だってこんなに可愛いんだから。


「どうしたんだ、名前。」
「あのねあのねっ」


頬を若干ピンク色に染めて何か俺に伝えようとする名前。


かわいーピンクのほっぺかわいー
というか名前自体可愛すぎて俺死にそう。


完全なるシスコンだといわれても構わない。ロリコンでもいい。
とりあえず名前の兄であることが俺の誇りなんだ!
でも、所詮兄だから結婚なんか出来るはずもないわけであり…


名前がもっと小さいころはお兄ちゃんと結婚する!って言ってくれたけど、今じゃそんなこと忘れてるだろう。
それに、名前だってもう十一だ。
好きな人くらい出来るはず。


まあ、俺がそいつを殺すけど。


「私ね、恋してるの!」
「は?濃い?ううん、名前は薄いから。濃いっていうのはあの猫耳年増女みたいなことを言うんだ。濃いとかそういう言葉覚えちゃいけません!」
「違う違う!お兄ちゃんちょっと違うんだよ。私が言ってるのは、恋!恋愛の恋なんだよ。」

「…マジでか」


嘘だろおおおおおおおお!?
まさか、こんなに早く名前が恋するとは思ってなかった…。
ずっと名前に恋させないように頑張ってきた俺の努力はどうなるんだ。
水の泡じゃねぇかァァァァァ!


「で、相手は誰だ。」
「えっとね…」


返答次第じゃ許さねぇぞ、お相手さんよぉ。
誰でも許さねぇけどな。


「トシくん!」


きゃっと顔を真っ赤にして両手で顔を覆う名前は可愛かったが。
俺の顔は真っ青に染まっていた。


お兄ちゃんは許しません!

(マヨネーズとマヨラーは一緒に滅びてしまえばいいと思います!)
(んだと、コラァァアア!甘党は黙って小豆でもずっと食ってろボケ!)
(てめぇ!うちの名前に手ェ出した罪は重たいぞコノヤロー!)






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