「総悟ーっ」 俺に後ろから抱き着いてくるのは彼女の名前。 無邪気で明るい性格、容姿はふっつー。 なのに、俺はこいつに惚れちまって…気づいたら自分から告白してて、しかも即答でOKだった。 そんな軽くOKしていいのか?とは思っていたが、元々俺を追っかけて女中になったらしいし。 ほんと、馬鹿な奴。 「女中の仕事疲れんの。だからあたしを癒して、総悟。」 「無理でさァ。ってか、暑いからどけ」 「むぅぅ…。」 頬っぺたを膨らませながら俺から離れる名前。 …可愛い。普通に可愛いと思う。俺は。 誰もが可愛いとは思わないだろうが、俺は可愛いと思う。 普通にしてたって可愛いのにそんな顔は反則だ。 「…アンタさぁ、あたしになんか隠し事してるでしょ。」 「してやせんぜ。」 「嘘つき。」 「本当だっての。」 本当のことなんて言えるはずない。 名前の言ってることは大当たりだ。 俺は名前に隠し事をしている。 「吐け!この野郎!」 「だから、してねーのに言える訳ねーだろ!」 「してるでしょ!あたしにはバレバレなの。アンタが言いにくいかと思ってわざわざあたしから言ってあげたのに…。怒らないから言ってみなさい。」 「だから…、」 俺はずっと隠して持っていたそれをありすの左手薬指にはめた。 「名前、俺と結婚してくだせェ」 お前の左手薬指、俺が予約させてもらうわ (こんなの…怒れるわけないじゃん。) お題:パッツン少女の初恋 |