「んー…」
「何悩んでんの?朝からずっと悩んでるけど…」
「ちょっと好きな奴のこと。」


お前のことなんだけどな。
土方に言われてから真面目に考え出した。告白のこと。


「へー…で、誰なの?」
「なんで、お前はそんなに俺の好きな人知りたがるんでィ」
「そ、それは…っ」


急に頬を染め始めた柚子。何がなんだか分からない俺には不可解な行動だった。
いきなり口を閉ざした柚子。


「な、なんでもいいでしょ!興味あるだけだし…!」


そんな風に言われると自然と笑顔になる。柚子はやっぱり可愛い。このままずっと片思いなんて嫌だ。
いつかは絶対恋人になって恋人つなぎとかしたいし。言おう。絶対、言おう。


「柚子は誰が好きなんですかィ?」
「だ、だからいつか教えるって…」
「俺も放課後、教えるから教えてくんねェ?」
「……わ、分かったわよ!教えりゃいいんでしょ!!」


柚子の好きな人は聞きたいような聞きたくないような。
いい方ならさっさと聞きたいけど、俺じゃないならそこまで聞きたくない。でも…聞きたい気持ちの方が大きい。

高鳴る鼓動。まだ、聞くのは放課後だってのに…
期待しすぎだバーカ…


「楽しみでさァ」
「あたしは別に楽しみじゃないけどっ!」


なんで、教えなきゃなんないの…とぶつぶつ言う柚子は今でも真っ赤だった。
それはもうりんごのように真っ赤で…真っ赤な顔もやはり可愛い。

柚子はなんでこんなに可愛いんでさァ。
そんで俺はなんで柚子にべた惚れなんでィ…

悲しい思いをしなくちゃなんないかもしんないのに…だけど希望の光が消えた訳じゃないし。
俺にだってまだ光は見えてるから。

明日、君に言うんだ。俺の気持ちをありのまま、すべて。
いつから好きだったとか。どこが好きとか。全部、ぜーーんぶ。君に打ち明けるよ。
だから、君も俺の期待に応えてほしい…。

柚子が俺のことを好きでいるように…ただ願う。


終わらない恋になれ
お願いだから両思いにして、神様。


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