あれからずっと心臓はうるさくなっている。
ドクンドクン…と。


なんでこんなに心臓はうるさいの?
なんでこんなに土方が来ただけで嬉しくなってしまうの?


あたしは土方とまともに目を合わせられないままでいると、沖田があたしのところへ来た。
あたしはそれにも気づかないでただボーっとしているだけだった。
だけど、沖田はそれを面白がっていて…


あたしの目の前でカシャリと音がした。
カメラのシャッターを切るような音が。
あたしはハッとして沖田の方を向くと、沖田はニヤニヤしながら携帯の画面を見つめていた。


「あー面白いもん撮れやした。優梨のボケヅラ」

「あああ…アンタねぇえ!!」

「ちょぉお、二人ともやめろって!」


近藤が急いであたしと沖田の騒ぎを止めようとする。
別にたいしたことないけど…。
妙ちゃんと神楽もあたしと沖田の騒ぎを止めようとしていた。
そんなに大事でもないのに…。


騒ぎは無事静まった。元々、たいしたことじゃなかったから、すぐにおさまったけど。
だけど、沖田の携帯を奪おうとするとどんどん騒ぎが大きくなっていって妙ちゃんがものっそい怖いオーラを出していたからあたしは沖田の携帯を奪うのをやめた。
だから、沖田の携帯からあたしの写真を消すことはできなかった。


それから時間はすぐに流れていった。
下校時刻になり、今日は土方と帰れるのか…と思っているところへ土方が来た。


「悪ィ、今日も総悟と帰って。お前ら仲よさそうだし。」

「あ、うん…。でも、別にあたしと沖田は仲良くないからね!誤解しないでよねっ!!」

「はいはい」


適当に返事をして土方は教室から消えた。
あたしも仕方ないから沖田と一緒に帰ることにした。


胸にモヤモヤが残ったまま…。

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