「ハァハァ…ッ!」 自分が息する音さえが嫌味に聞こえる。私こんなところでこんなことしてんだろ―― 背中を壁に預けた。バタバタと足音がする。死ぬのかな?別に死んでもいいけど。なんか、ここで死ぬとちょっと悲しいかも。 「いたぞ!こっちだ!!」 なんでこいつら、私のこと追っかけてんだっけ?それさえも分からなくなってきちゃった。とうとう、頭イカれたか。 「おい、兄ちゃんたち」 「あ、ぶっ…」 急に男が倒れたかと思えばそこには綺麗な銀髪をした男が立っていた。そいつが多分、男をやったんだろう。正直、驚いた。私のことを助けてくれた…?あり得ないじゃん、私を助けるなんて さ。 「おいおい、むさい男ばっかじゃあ姉ちゃんも飽きちゃうぜ?」 「きっ…貴様ァ!!何者だ!!」 「あ?俺?俺ァ…」 簡単に男を倒して、その後にひらりと紙を一枚よこした。へばっている男の上に紙が一枚ひらりと乗っかった。その紙を私は拾って、隅から隅まで読み通した。 「万事屋銀ちゃん…?」 ふざけた名前だ、と思った。だけど、なんでか分からないけど、そいつを呼び止めてしまったんだ。 「ね、ねえ!ねえってばぁ!!」 「あ?なに、姉ちゃん。俺に惚れちゃったの?」 「んなワケねーだろが、ボケ。あのさぁ…お兄さん」 「んだよ、」 「お兄さんはお金持ち?」 出会い方は最悪 んな、ワケねーだろ。むしろ俺だって金が欲しいわ。 |